- プロパンガス会社はガスの販売価格を自由に決めることができる
- 消費者はプロパンガス会社を自由に選ぶことができる
- 適正な価格でガスを販売するプロパンガス会社を選んで契約するべき
生活に欠かせないガスにはプロパンガスと都市ガスの2種類があります。
この2つの料金を比較すると、プロパンガスのほうが料金が高い傾向にあります。
これには理由があります。
今日はプロパンガス料金が高い本当の理由をお話します。
目次
プロパンガスと都市ガスの違い
プロパンガス(LPガス)と都市ガスはガスの成分や供給方法、料金システムなどに違いがあります。
ガスの種類が違うので、それに合ったガス機器を使用しなければいけません。
まずはそれらの代表的な違いについて見ていきましょう。
プロパンガス(LPG) | 都市ガス | |
成分 | プロパン、ブタン | メタン |
重さ(比重) | 空気より重い | 空気より軽い |
発熱量 | 約24,000kcal/㎥ | 約11,000kcal/㎥ |
供給方法 | プロパンガスを液化させ、ボンベに詰めたものをご家庭や店舗に設置し、供給します。 | 地下に設置されているガス導管を通して各家庭や店舗などに供給されます。 |
料金システム | ガス販売店が自由に料金を決められる 「自由料金制」 |
規制料金によって都市ガス事業者ごとに料金が決まっています。 ※2017年より「都市ガス自由化」のためガス事業者ごとに料金が決められるようになった。 |
プロパンガスは都市ガスに比べて料金が高いのか
結論からいうと、プロパンガスは都市ガスに比べて料金が高い傾向にあります。
実際にどれほどのガス料金に差があるのか、以下で見てみましょう。
プロパンガスと都市ガスの1ヶ月あたり10㎥使った場合の料金を比較すると以下のような結果となります。
1ヶ月あたり10㎥を使用した場合の料金比較(2020年12月)
プロパンガス | 都市ガス | |
ガス料金 | 6,985円 | 2,011円 |
【プロパンガス】
基本料金 1,741円+524.4円×10㎥=6,985円
【都市ガス】
基本料金 759円+125.26円×10㎥=2,011.6円
上記の結果から、プロパンガスの料金が都市ガスに比べ約3.2倍も高いことがわかりました。
プロパンガス、都市ガスともにガス料金の計算方法は一般的な「ガス料金=基本料+従量料金(従量単価×ガス使用量)」を用いています。
プロパンガスは石油情報センターがプロパンガス販売店に聞き取り調査を行い、東京都の平均相場価格をもとに計算し、都市ガスは契約者数が最も多い東京ガスの一般契約料金をもとに算出しています。
以下にそれぞれの料金を示します。
一ヶ月あたりの東京都のプロパンガス料金(2021年2月)
2021年2月 | 従量単価(円/㎥) | ||
基本料金 | 5㎥ | 10㎥ | 20㎥ |
1,735円 | 533円 | 529.1円 | 523.8円 |
一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター「地域の価格」参照
東京地域の都市ガス料金(2021年4月)
2021年4月 | 基本料金(1ヶ月あたり) | 単位料金(円/㎥) |
0~20㎥ | 759円 | 145.31円 |
20~80㎥ | 1,056円 | 130.46円 |
東京ガス:一般料金 参照
また、上記の表から分かるとおりプロパンガスと都市ガスの単価には明らかな差があり、これらが両者の大きな料金差を生んでいます。
なぜここまで料金に差が出てしまうのか?
これについて後ほど解説します。
ただし、この料金はガスの使用状況や地域により異なりますので、あくまで参考としてください。
プロパンガス料金が高い本当の理由
これまでプロパンガスと都市ガスの違いや、実際の両者の料金差についてお話してきました。
どうしてこれほどまでプロパンガスの料金が都市ガスと比べ高いのでしょうか?
それには以下のような理由があります。
ガス会社が自由に価格を決めている
プロパンガスは自由価格です。
自由価格とは、その言葉通り料金を自由に設定できるという意味です。
つまり、各プロパンガス販売店が自由にガス料金を決定して良いことになっているのです。
都市ガスや電気、水道のような国や地方自治体などが設定した規制料金(俗に言う公共料金)ではありません。
よく比較される都市ガスに比べ、プロパンガス料金が高くなってしまう理由にはガスの供給方法による違いがあります。
都市ガスは地下にある配管を通って各住戸にガスが供給されるのに対し、プロパンガスは輸入、配送、ガスボンベへの充填、各住戸への輸送、設置という仕組みをとっています。
そのため、プロパンガス販売店は消費者に供給する過程で発生するコストと利益を考慮して販売価格を決めています。
ガス会社としてはもちろん利益を追求したいわけですから、プロパンガスの販売員はその仕組を利用してあの手この手でガス料金を高くしようとします。
これがプロパンガス料金が高くなってしまう理由なのです。
プロパンガスは配送費や人件費がかかる
上述したように、プロパンガスは様々な過程を経て各住戸に供給されます。
ガスの原料よりもプロパンガスの販売店のコストや利益が多いのがプロパンガスの価格の特徴です。
プロパンガス販売店はガスボンベに充填されたプロパンガスを各住戸や建物へ配送する必要があり、その使用料を契約者から回収しています。
そのため、この人件費がプロパンガス販売価格を底上げしているのです。
ここが配管にガスを通すだけの都市ガスとは大きく異なる点です。
自由料金制であることも理由に、利益を大きく乗せているプロパンガス販売店も少なくありません。
ガス会社同士でガス料金を高く設定している
プロパンガス料金は自由価格ですから、ガス会社の本音としてはできるだけガス料金を高くしたいと考えます。
しかし、価格を高くしすぎると消費者は安いガス会社に変更したいと考えます。
そこで、近隣のガス会社同士で、価格をある程度高めに揃えて設定するのです。
つまり、ガス会社同士でグルになっているわけです。
そうすることで、お客様はどのガス会社を選んでも結局は高いガス料金を支払うことになります。
このようにプロパンガス会社同士が結託して競争力のない市場を形成しているのです。
給湯器やガスコンロなどの無償貸与分が上乗せされている
戸建住宅やアパートにプロパンガスを引き込む場合、ガス会社は自社のガスを契約してほしいと考えます。
そのために、プロパンガス会社はオーナー(大家さん)に対し、給湯器やガスコンロ、インターホン、ウォシュレットなどの設備を「無償貸与」という形で提供します。
この無償貸与した設備のお金をガス料金に上乗せするのです。
無償貸与というのはタダで提供しているのではなく、それをエサに契約させ、その分をガス料金に上乗せして回収するということです。
しかしガス料金を支払うのは大家さんではなく居住者になります
消費者側にも原因がある
問題は消費者側にもあります。
上述してきたことは、確かに消費者にとっては良くないことです。
しかし、消費者がプロパンガスについて無知であることも良くないことです。
消費者の多くは、プロパンガスを公共料金だと思っていたり、営業の言葉を鵜呑みにして契約してしまいます。
プロパンガス会社を消費者が自由に選べることを知らない人が多いのです。
中には自由に選択できることは知っていても、消費者自身でプロパンガス会社を探すことは面倒だと思い込み、プロパンガス会社から言われるがままに契約する人もいます。
しかし、ガス料金をパンフレットやホームページに掲載していないところが多く、情報があまり公開されていないので無理はありません。
高いプロパンガス料金を安くするためにできること
プロパンガス料金が高くなっている理由をお話しました。
それでは、どのようにすれば高いガス料金を安くすることができるのでしょうか。
それは「適正価格で取引をする優良なプロパンガス会社と契約をする」ことです。
全国にはおよそ2万社ものプロパンガス会社が存在します。
各地域に支社を持っている大きな会社もあれば、各地域に昔から根付いている小さな会社まであるのです。
消費者はその中から自由にプロパンガス会社を選ぶことができます。
優良なプロパンガス会社を探す方法
優良なプロパンガス会社を探すにはどのようにすればよいでしょうか。
まずはお住まいの地域のガスの料金相場を調べてから、近くのプロパンガス会社に1つ1つ見積もりをお願いすれば、いつかは適正な価格で取引をしているガス会社に出会うことができるでしょう。
しかし、初めて比較する場合は、その会社が本当に良い信頼できる会社かどうか判断することは、非常に難しいです。
今まで勧められるがままにプロパンガスを契約してきたという方にとっては、現在のガス会社が優良とは言えない可能性もあるので、より慎重にガス会社を選ばなければなりません。
そんな消費者のために、まちガスは不当な料金で取引をしない優良なガス会社を無料でご紹介します。
まちガスでご紹介するプロパンガス会社は、一定の審査をクリアしたガス会社のみです。
お住まいのエリアの相場料金の確認から優良ガス会社の紹介、契約までを一括にサポートします。
まちガスのような、複数のガス会社を比較して契約までのサポートを行うサービスが普及してきたことにより、適正価格でプロパンガスを利用したい消費者の声がガス会社へ届くようになりました。
それにより、これまでガス会社によって形成されていた高い取引価格も下がりつつあります。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
都市ガスやオール電化へ切り替える
お住まいの地域で都市ガスを使用できるのであれば、都市ガスに切り替えるのも一つの方法です。
しかし、都市ガスの切り替えは、地下に都市ガスを供給するためのガス導管が通っているかがポイントになります。
これがなければ、いくら都市ガスに切り替えたくてもガスの供給元がないので、プロパンガスを使い続けるほかありません。
また、切り替えができるのは一戸建てなど、ご自身が物件を所有している場合に限ります。
オール電化へ切り替えは建物ごとで工事が可能なため、自由に切り替えができます。
しかし、今まで使用していたガス給湯器などの設備は使用できないため、すべてオール電化用の設備へ切り替えが必要です。
そのため、大掛かりな切替工事に加え、調理器具などもIHに対応したものに買い替えが必要になります。
賃貸物件の居住者は大家さんへ相談する
もし賃貸物件にお住まいでプロパンガス料金を安くしたいと考える方は、大家さんへ直接交渉または管理会社へ連絡し、ガス会社を変更してもらうようお願いする必要があります。
賃貸物件の入居者はプロパンガス会社との直接の契約者ではないため、ガス会社変更には大家さんが動いてもらうようにするしかありません。
しかし、直接連絡してもプロパンガスの切り替えには手間や労力がかかるため、対応してくれるとは限りません。
以下の記事で大家さんへ相談する際のポイントをまとめているので読んでみてください。
まとめ
プロパンガス料金が高い本当の理由は、このようにプロパンガスが自由価格であることを利用し、各種設備の無償貸与をすることが原因なのです。
この仕組み(カラクリ)を初めて知った方も多いでしょう。
知った以上はガス料金を安くするべくアクションを起こしてみましょう。
まちガスは無料でお客様のプロパンガス料金を安くするお手伝いをします。
どんな些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。