- プロパンガスを利用するためには設置基準を満たさなければならない
- 設置にかかる初期費用は基本的に0円
- 初期費用は一時的にプロパンガス会社が負担しており、毎月のガス代に上乗せされて請求される
プロパンガス(LPガス)のボンベを設置するための条件は法律によって定められています。
この記事では、プロパンガスの具体的な設置場所の基準と設置にかかる初期費用について説明します。
目次
プロパンガスの設置基準
早速、ガスボンベを設置するための基準を以下に見ていきます。
基準①:直射日光を避けて設置する
ガスボンベに直接日光が当たると、内圧が高まり爆発する可能性があります。
それを防ぐために、風通しが良く直射日光が当たらない場所に設置しなければいけません。
しかし、どうしても日光の当たる場所にしか置けない場合は、ボンベの上の屋根を付けるなどして対策を行います。
基準②:火気までの距離は十分にとる
火気を使用する場所から2メートル以上離してガスボンベを設置する必要があります。
火気とはボイラーやストーブなどの燃焼機器や、火そのものを指します。
また、電流により火花が出たり、電気による熱で320度を超える高温になる電化製品も対象となります。
冷蔵庫や洗濯機などの電化製品も火気に含まれる場合があるので注意しましょう。
基準③:ボンベの転落と転落防止処置
ガスボンベが転倒、転落しないように防止措置を行いましょう。
チェーンをくくりつけ、ガスボンベが動かないようしっかりと固定します。
その際、より安全性を高めるためにボンベにチェーンを二重にかけるよう推奨されています。
また、ガスボンベは傾斜などのない水平な場所に置くようにしましょう。
地震や台風による洪水などが発生し、ガスボンベが転倒、流出などの大きな被害が予想されるときは、ボンベのバルブを時計回し(右)に回して閉めておくようにしましょう。
基準④:ボンベの備品の損傷防止措置
ボンベが強い衝撃などを受ける可能性が無い場所に設置しましょう。
具体的には、車などがぶつからないよう駐車場などを設置場所にするのは避けるべきです。
また雪の多い地域では雪害の影響も考慮して、損傷を受けにくい軒下に設置するなどの対策が必要です。
基準⑤:ボンベを囲う際は周りの環境に注意
外観上の理由などで、ガスボンベの周り囲う場合には発火をリスクを避けるよう注意しましょう。
具体的にはガスが充満しないように空気の抜け道をつくり、囲う物の材質は負燃性のものを使用しましょう。
基準⑥:ガスボンベ内の温度上昇を避ける
ガスボンベの温度が上がると、内圧が高まり爆発するリスクがあります。
ガスボンベは温度は40度以下に保ち、日光が当たりやすい南側に設置するのは避けましょう。
基準⑦:ガスボンベの腐食を防止する
ガスボンベが腐食してしまうと、容器の強度が下がり爆発するリスクが高まります。
ガスボンベを設置するときは、水回りや軒下などの水気が多くて腐食しやすい場所は避けて水はけの良い場所を選びましょう。
ガス漏れ警報器について
プロパンガスを設置したら、ガス漏れ警報器も合わせて設置することをおすすめします。
ガス漏れ警報器の設置義務はありませんが、万が一に備えて設置しておくと良いでしょう。
ガス漏れ警報器に関する設置基準などはありませんが、基本的にプロパンガスと都市ガスで設置する位置が異なります。
床下から30cm付近に警報器があればプロパンガスです。
反対に、天井から30cm下に警報器があれば都市ガスと判別することができます。
プロパンガスは空気より重いため、ガス漏れが発生した際は低い位置にガスが溜まります。
反対に、都市ガスは空気より軽いため、ガスの警報器は頭上の高い位置に設置されています。
プロパンガスの設置にかかる費用は?

ここまではプロパンガスのボンベを設置する基準についてお話しました。
それでは実際にプロパンガスを設置するのに費用はどれくらいかかるのでしょうか。
初期費用はかからない
プロパンガスの設置、それに伴うガス機器の設置について、初期費用はかかりません。
通常は一括で契約者が支払う必要がありますが、ガス会社が代わりに負担してくれます。
そのため、給湯器やコンロなどの設備も一緒に導入できるので、集合住宅や賃貸物件の大家さんにとっては、大きな初期費用の負担を軽減することができます。
初期費用は毎月の請求に上乗せされる
ただし、初期費用は一切払わなくてよいわけではなく、ガス会社からの毎月の請求に上乗せされます。
「無償貸与契約」という、プロパンガス業界独特の契約を結ぶ形になります。
また、毎月の請求額は契約したガス会社によって決まります。
プロパンガスは自由料金制なので、ガス会社ごとに自由に料金を決めることができます。
そのため毎月の料金に初期費用分を上乗せされ、例え初期費用分の支払いが終わっていても、毎月の請求額が変わらず高額な料金を支払い続ける…なんていうこともあります。
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ガスボンベを運搬する際の注意点
最近、キャンプやイベント会場等でのプロパンガスの利用が増えています。
個人的にガスボンベを購入してガス販売店へプロパンガスを充填する方法や、プロパンガスとガス機器をまるごとレンタルする方法を使って、「可能なエリア内」で自由にプロパンガスを利用することができるようになっています。
「可能なエリア内」とは、ガス販売店やレンタル業者などのプロパンガス取扱店が万が一の際の緊急時でも30分以内に駆けつけることが可能なエリアのことを指し、それを「保安距離」と言います。
この保安距離内であれば、プロパンガスをどこでも自由に使用することができます。
ただし、ここで取り上げているプロパンガスの「設置基準」は厳守する必要があります。
ガスボンベを持ち運んで離れた場所などで利用する際、プロパンガス販売店に運搬してもらうか、ご自身でガスボンベを運搬するかを選択することができます。
販売店にお願いする場合は、専門の業者なので特に心配はいりませんが、ご自身で運搬する際は注意点があります。
それは、法令により自家用車(高圧ガス積載車以外)1台での持ち運びは、8kg以下の容器で計21kgまでとなっていることです。
組み合わせ例は以下になります。
8kg 2本・5kg 1本
5kg 4本
8kg 1本・5kg 2本
また車にガスボンベを積載中は禁煙を厳守したり、車内を熱くしすぎないように注意が必要です。
ガスボンベを持ち運んで現地で使用する際にも、上述したガスボンベの設置基準を厳守し、プロパンガス販売店の指示を受けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
以上がプロパンガスを設置する際の大まかな基準になります。
基本的には契約されているガス会社が基準を満たした場所を選んでガスボンベを設置してくれていますが、ご自身でも対策を忘れず安全にプロパンガスを利用しましょう。
プロパンガスの設置にかかる初期費用はかかりませんが、毎月の請求に上乗せされるため、契約内容をしっかり確認しましょう。
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