- 冬場は気温が低いため、温度を上げる時にガスを多く消費する
- お風呂の使い方を工夫することでガス代を節約することができる
- 冬に備えてプロパンガス会社の変更も検討する
毎年冬になると高くなるガス料金に悩まされていませんか?
なぜ冬はガス代が高くなるのでしょうか。
今回は冬場にプロパンガスの料金が高くなる理由についてお話します。
目次
冬場のガス代はどのくらい?
まずは冬場のガス代が一体どれほどかかるのか知りましょう。
ここでは、1、2人暮らし世帯別の夏と冬でのプロパンガス使用量と料金の平均をまとめました。
以下に見てみましょう。
世帯別の季節によるガス使用量と料金
年間平均 |
夏平均(6~8月) | 冬平均(12~2月) | ||||
世帯別 | ガス使用量 | ガス料金 | ガス使用量 | ガス料金 | ガス使用量 | ガス料金 |
1人暮らし | 5.0㎥ | 4,935円 | 3.5㎥ | 3,398円 | 7.0㎥ | 5,890円 |
2人暮らし | 10.0㎥ | 7,811円 | 8.0㎥ | 7,012円 | 13.0 | 9,452円 |
ご覧の通り、夏や年中を比較しても冬場のガス代は高くなってしまう傾向にあります。
これらの数値は契約しているガス会社によっても変わってくるものですので、お手元にある検針票や請求書と比較してみてください。
もし、ここでのガス料金よりも高い場合、それは季節に関係なく契約しているガス会社の料金が比較的高いことによるものの可能性があります。
冬場のプロパンガス料金が高くなる理由
それでは、なぜ冬場のガス料金が高くなってしまうのでしょうか。
理由その1:水の温度が低いから
まず理由として、冬場の気温が低いことが挙げられます。
気温が低ければ低いほど、水を温めるために必要なガスの量が増えます。
夏と冬ではもとの水温が違うので、使用したいお湯の温度が同じ40度でも、冬はより多くのガスが必要となるのです。
そのため、使うお湯の量が一年間変わらなくても、夏場に比べて冬場はガスの料金が高くなる傾向にあります。
ここで、年間の東京における水道水の温度を見てみましょう。
水道水の水温(℃)(都庁付近)の平均・最高・最低値一覧 【令和元年度】
季節 | 春 | 夏 | 秋 | 冬 | 年間 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | |
平均 | 11.6 | 13.3 | 18.2 | 20.7 | 21.7 | 26.6 | 25.0 | 21.4 | 16.2 | 11.3 | 9.4 | 10.9 | 17.2 |
最大 | 15.5 | 17.0 | 21.8 | 22.7 | 24.9 | 27.9 | 27.0 | 25.2 | 18.6 | 13.2 | 11.2 | 12.4 | 27.9 |
最小 | 8.6 | 9.9 | 15.2 | 18.4 | 20.1 | 24.6 | 23.2 | 18.3 | 12.4 | 9.4 | 8.4 | 9.0 | 8.4 |
例として、湯船にお湯を貯めるのにかかる1回あたりのガス代を季節ごとで計算してみましょう。
ここでは水200L(1人用の浴槽に7~8割の水を貯めた場合) をそれぞれ夏と冬場の水温から40℃まで温めるものとします。
表から計算すると、夏場の最大水温の平均は25.2℃、冬場の最大水温の平均は12.3℃です。
それぞれの水温の水道水をお湯にして200Lの湯船に注いだ場合、1回あたりどれほどのガス代に差が出るかを計算していきます。
ここでは、プロパンガスの従量単価を500円(ガス会社によって異なる)とし、ガスの熱効率を90%(=0.9)として計算します。
プロパンガスの発熱量は約24,000kcalなので、それらを元に計算すると以下のようになります。
【夏場】
(40.0℃ー25.2℃)×200L×0.9÷24000kcal×\500=55.5≒56円
【冬場】
(40.0℃ー12.3℃)×200L×0.9÷24000kcal×\500=103.87…≒104円
104-56=約48円
よって、夏場と冬場で湯船にお湯を貯めるのに1回あたりにかかるガス代の差は約48円でした。
基本的に毎日お風呂に入るとすると、夏場と冬場で毎月1,440円もの差が出てきます。
また、これは世帯人数やお住まいの地域によって水の量や水温が変わってくるものですので、上記の計算をご家庭の地域の水温や水の使用量と照らし合わせてみましょう。
理由その2:お湯を使う頻度が増えるから
もう一つ冬のガス代が高くなる要因は、他の季節に比べて温水を使用する機会が多くなることにあります。
寒さで身体が冷え切っていると、ゆっくりと湯船に浸かって身体を温めたくなりますよね。
夏場はサッとシャワーだけでお風呂を済ませていても、冬場は必ず浴槽にお湯をためてあたたまりたいという方も多いと思います。
また、お湯が冷めにくい夏に比べて、冬はすぐにお風呂が冷めてしまうので追い焚き機能を使う頻度も高くなります。
浴槽に浸からないにしても、シャワーの設定温度も夏に比べて高くなりがちです。
しかし温水の使用頻度が増えるのは、風呂場だけではありません。
寒い冬は、一日に何度も熱いお茶やコーヒーを飲みたくなって、コンロでお湯を沸かす方も多いのではないでしょうか。
また、普段の手洗いや食器洗いなどでもお湯を使う機会が多くなりますよね。
このように普段の生活でお湯を使う機会が他の季節より増えることで、冬にかかるガス代も高くなってしまいます。
冬場のガス料金を節約する方法
ここまでで冬場のガス代が高くなってしまう原因がわかったと思います。
ここからは、冬場のガス料金を抑えるための節約方法をご紹介します。
お風呂の使い方を工夫する
冬場にガス代が上がってしまうのは、ガスの使用量が多くなることが原因です。
上述した通り、低い温度の水からお湯にするためには、他の季節に比べて多くのガスを使用します。
そこで、最もお湯を使うお風呂の使い方を工夫することで、ガス代を節約することができます。
お風呂の際は以下の2つのポイントを押さえましょう。
- お湯の設定温度を2、3℃低くする
- 湯船またはシャワーのお湯の量を減らす
お湯の設定温度を低くすることで、通常よりも温度を上げるためにガスを使用する量が少なくなります。
給湯器の初期設定温度をできるだけ低めに設定しておくと良いでしょう。
また、湯船やシャワーに使う水の量を減らすことも、ガスの使用量を抑えるポイントです。
湯船に水を貯める場合は、身体を流す際はなるべく湯船からお湯を使い節水を心がけましょう。
プロパンガス会社を切り替える
日々の節約よりも、実はプロパンガス会社ごと切り替えてしまうほうが、ガス代を大幅に削減することができます。
毎日コツコツ節約を意識せずに、簡単にガス料金を抑えることができます。
プロパンガスの料金は「自由料金制」として、販売店が自由に料金を設定することができます。
そのため、同じ地域内でも2~3倍もガス料金に差があることも珍しくありません。
また、契約する消費者側もその事実を知らないことがほとんどです。
しかし、消費者側もガス会社を自由に選ぶことができます。
プロパンガスは、都市ガスのようにある地域内で決められた都市ガス会社と契約する必要はありません。
プロパンガスの切り替えで、毎月6,000円ほどガス料金の削減をすることができます。
年間だと72,000円もの削減を見込むことができるのです。
コツコツ節約することが苦手という方は、プロパンガス会社の切替も検討してみましょう。
ただし、賃貸物件や集合住宅へお住まいの方は個人でガス会社の切替はできませんので、物件の大家さんか管理会社へ相談してください。
まとめ
冬場は水温が低いので、お湯にするために必要なガスの量が増える上に、使用するお湯の量も多くなる傾向があります。
これらの要因から二重にガス料金が高くなりやすいため「冬になると一気にガス料金が跳ね上がった!」ということが起こりうるのです。
ガス代を節約されたい場合は、できるだけ追い出し機能を使わない、お風呂の設定温度を少し下げるなどの手段が有効といえます。
もともとガス料金が高すぎる場合、契約しているプロパンガス会社の見直しを行うことで月々のガス料金が大幅に下がる場合があります。
もしプロパンガス会社の見直しを考えられているのであれば、一度まちガスまでご相談下さい。
まちガスでは、無料で優良ガス会社をご紹介します。