- 日本におけるプロパンガスの8割は輸入に頼っているのが現状である
- 近年は中東よりもアメリカからの輸入が急増加している
- 輸入価格がプロパンガス料金に大きな影響を及ぼす
ご家庭に供給されているプロパンガスの多くは輸入されており、輸入時の原油価格がプロパンガス料金を決定する要素となっています。
そのため、輸入動向を知ることは、プロパンガス料金を知る上で非常に重要になります。
今日は、日本におけるプロパンガス供給の現状を解説します。
目次
プロパンガスの輸入元は?
日本におけるプロパンガス(LPガス)の約25%は国内生産で、残りの約75%は輸入しています。
以下に、日本における国別プロパンガス輸入構成比の最新版をお見せします。
国別LPガス輸入構成比(2019年度)
中東とアメリカ依存度の推移(10年間)
プロパンガスの輸入元はサウジアラビアやクウェート、UAE、カタールなどの中東からの輸入に頼っていたため、中東依存度が高い状況でした。
しかし、実際のところ、ここ数年で一気にアメリカからの輸入割合が急激に拡大しています。
2012年の時点では、アメリカからの輸入割合は全体の約3%程度でしたが、上記のグラフを見て明らかなように、2019年には73.5%と過半数を占めています。
これには2013年に起きたシェールガス革命が関係しています。
シェールガス革命(シェールガスかくめい)あるいはシェール革命とは、今まで困難であったシェール層からの石油や天然ガス(シェールガス)の抽出が可能になったことにより、世界のエネルギー事情が大きく変わることを指す。
アメリカはこのシェールガス革命によって、世界最大のエネルギー輸入国から一転、資源大国に成り上がったのです。
そして、その影響は日本のプロパンガス業界にも多大なる影響を与えています。
こうした状況から、アメリカからの輸入に頼りすぎていることがわかります。
そのため、今後の日本のガス輸入の動きとしては、同じくシェールガス産出国であるオーストラリアやカナダからの輸入比率も増やしていくと見られています。
プロパンガス料金に影響を与える要素
プロパンガス料金はガス会社の自由料金制という名の下、その価格に影響を与えます。
しかし、ガス会社の個別の事情では避けられない原因もあります。
それは、
・急激な円高
・原油価格の高騰
の2点です。
こればかりはガス会社がどれだけ頑張ってもどうすることもできないものなのです。
つまり、日本のプロパンガスの供給が輸入に依存している以上、円高と原油価格という2つの要素は、常にプロパンガス料金に影響を与えてきます。
まとめ
日本のプロパンガスは、約75%を輸入に依存しており、必然的に円高や原油価格の値上がりによって、プロパンガス料金に影響を与えます。
ただし、これらの影響で値上がりした場合、ガス業界全体が値上げすることになるので、各ガス会社が個別に値上げをする根本的な原因とは異なります。
むしろ、これらを言い訳(悪用)して、不当に値上げをしてくるガス会社もいるので注意が必要です。
ガス料金の値上げに困ったらお気軽にまちガスにお問い合わせください。
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