家電を使っているときに突然電気が消えてしまって困ったことはありませんか?
これはブレーカーが落ちたせいなのです。
しかし、ブレーカーはめったに落ちることがないために、すぐに対応できないこともあるでしょう。
今日は、電気のブレーカーが落ちる原因と、落ちたときに確認するべきこと、そして繰り返さないための対策について紹介します。
目次
ブレーカーの役割と種類
私たちの生活に欠かせない電気は、電力会社(小売電気事業者)と契約することで供給され、使用することができます。
この、電気を安全に使用するために設置されているのが「ブレーカー」です。
まずはブレーカーが落ちる原因を説明する前に、ブレーカーの基礎知識を確認してみましょう。
ブレーカーと聞くと、「洗面所などの壁の上の方に付いている箱」をイメージする人が多いのではないでしょうか。
その箱は「分電盤」という名前で、その分電盤を介して各部屋へと分配されていきます。
ブレーカーは、この分電盤の装置であり、家庭で安全に電気が使用できるように異常を感知して電気を遮断し、人や機械を守る役割があります。
そしてブレーカーには以下の3種類があります。
アンペアブレーカー
アンペアブレーカーは、電力会社との契約ブレーカーで、大きなアンペア数の表示と色分けが特徴。
契約アンペア値(契約電力量)を超えた電気が流れた場合、電気の流れを遮断する(ブレーカーが落ちる)しくみになっています。
このアンペアブレーカーが落ちると、家全体が停電してしまいます。
アンペアブレーカーが落ちたときの正しい復旧方法
- 短時間の使用が基本で、かつ消費電力の大きな電化製品を特定する
(例:電子レンジ、電気ケトル、炊飯器、ドライヤー、電気ストーブ、エアコンなど) - ①で特定した電化製品の電源をオフにする
(電源をオフにできない場合は電源プラグを抜く) - アンペアブレーカーのスイッチをオンにする
- 使用する電化製品のみ電源をオンにする
最初に消費電力の大きな電化製品を探して電源をオフにするのは、ブレーカーが落ちる前と同じ状態でブレーカーのスイッチをオンにしても、同量の電気が使用されてまたブレーカーが落ちてしまう可能性が高いからです。
スマートメーターが設置されてい家庭には、分電盤にアンペアブレーカーがない場合があります。
しかし通常は、10秒後に自動的に電気が流れ始める仕組みになっているので、電気が使えなくなったら、すぐに消費電力の大きな電化製品の電源をオフにするか、電源プラグをコンセントから抜きましょう。
漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは、漏電事故を防ぐための装置で、メインのスイッチ以外にテスト・復旧のボタンが付いているものが多いです。
漏電を検出した場合、電気の流れを遮断する(ブレーカーが落ちる)しくみになっています。
漏電ブレーカーが落ちると、家全体が停電します。
漏電ブレーカーが落ちた場合、家のどこかで漏電が起きている恐れがあります。
漏電ブレーカーが落ちたときの正しい復旧方法
漏電ブレーカーが落ちてしまったときは、すぐに電気事業者や電気工事会社、不動産管理会社などに連絡して点検・修理を依頼しましょう。
漏電は感電や火災などの重大な事故につながる可能性があり、素人感覚で修理したり、放置したりするのは危険だからです。
なお、ご契約中の電気事業者やプランによっては、電気のトラブルに関する駆け付けサービスを提供している場合もあります。
契約内容を確認して利用する電力会社を選択するのも良いでしょう。
安全ブレーカー
安全ブレーカーは配線用遮断器といって、分電盤から各部屋へ電気を送るための回路ごとのブレーカーで、家の各部屋へ伸びる回路ごとに設置されています。
複数あるスイッチは、コンセントまでの電気回路とそれぞれ接続しています。
回路ごとに容量が決まっており、その容量を超えた電気が流れた場合、電気の流れを遮断する(ブレーカーが落ちる)しくみになっています。
このブレーカーは回路ごとに落ちるので、安全ブレーカーが落ちると、家の一部が停電します。
安全ブレーカーが落ちたときの正しい復旧方法
- 電化製品の配線がショートしている可能性があるため、電気がつかない部屋(安全ブレーカーが落ちている部屋)の電化製品の電源プラグをコンセントから抜き、電源もオフにする
- 落ちている(スイッチがオフ)安全ブレーカーのスイッチをオンにする
- 電化製品の電源プラグを一つずつコンセントに挿す
- 使用する電化製品のみ電源をオンにする
安全ブレーカーは、そのスイッチに割り当てられた一定の量以上の電気が流れると落ちる仕組みになっています。
そのため、単純にスイッチをオンに戻すだけでは、またすぐにブレーカーが落ちてしまう可能性があります。
安全ブレーカーが落ちている部屋・場所にある電化製品の電源プラグをコンセントから抜き、電気が使用されていない状態を作ってから、スイッチをオンにしましょう。
ブレーカーが頻繁に落ちる時の対策
漏電ブレーカーがよく落ちる場合に限っては、上述したように修理が必要なため、慎重に対応する必要があります。
しかし、アンペアブレーカーや安全ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、基本的に電力の使いすぎが原因です。
以下の対策をおすすめします。
同時に使用する電力を減らす
同時に使用する家電の数を減らし、使用する電力量を抑えるのが、すぐにできる基本の対策と言えます。
とくに電気ストーブ、オーブン、卓上IHクッキングヒーター、食器洗い洗浄機、炊飯器、ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時)、ドライヤーなどはアンペア数が高いので、これらのものを同時に使おうとするとブレーカーが落ちやすくなります。
また、使っていない電気器具や家電も、コンセントがつながっているだけで待機電力を使用していることがあります。
待機電力は微々たるものですが、ブレーカーが落ちやすい場合は無駄に待機電力を消費していないかチェックしてみましょう。
契約アンペア数を見直す
気をつけていてもすぐにアンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちるという場合は、契約アンペア数が適切でない可能性があります。
現在、30アンペアに設定されているのなら40アンペアにしてみるなど、契約内容の変更を検討してみましょう。
家族が増えたり、子供が大きくなったりすると使用電力量が増えてしまうものなので、そうした事情に合わせて契約アンペア数を見直すことも必要です。
まとめ
いかがでしたか?
ブレーカーが落ちた時の原因と対処方法をご紹介しました。
家の電気がつかなくなってしまったら、まずは停電か確認し、家の周辺も停電している場合はコンセントから電気製品の電源プラグを抜き、復旧するのを待ちます。
あなたの家だけ電気が消えている場合は、どのブレーカーが落ちているか確認して対処しましょう。