照明器具は単に部屋を明るくするためだけのものではなく、住宅の雰囲気作りとしても重要な役割を果たしています。
近年では、電球の種類も増え性能が上がっているので、電球を変えるだけで光熱費を抑えられたり、寿命が長いため取り換えの手間を省くことが出来たり、省エネ効果が高いものが多数あります。
今日はそんな電球についての基礎知識と、お部屋に合った電球の選び方について調べました。
電球の選び方がわからない方は是非参考にしてみてください。
目次
照明器具の種類
まずは室内でよく見かける代表的な照明器具、4つの種類のご説明をします。
シーリングライト
天井に付けて部屋全体を明るくする照明器具です。
引掛けシーリングが天井に付いていれば手軽に照明器具の交換が可能です。
ペンダントライト
天井から吊り下げて周囲を明るくする照明器具です。
1灯だけでなく何灯か使用するタイプもあり、シーリングライト同様引掛けシーリングで、手軽に照明器具を交換することができます。
ダウンライト
天井に埋め込んで使うため、インテリアの観点から見るとすっきりとした印象となります。
必要な部分だけを照らす照明器具です。
広いスペースに複数設置して使用したり、狭いスペースの照明に使われています。
スポットライト
天井や壁に取り付けます。
特定のインテリアなどの対象物を強い光で照らしたいときにおすすめです。
電球選びにおける絶対条件
電球が切れた時に電気屋さんへ行くと、その種類と数に驚かれる方が多いと思います。
しかし以下の4点は建築時にすでに決まっているため、その規格に合う電球を選ぶ必要があるので注意が必要です。
ワット数
電球に記載されている「60w」「100w」などという表示、「w」は「ワット」と呼びます。
これは消費電力を表す単位で、この単位が大きいほど明るく、消費電力も増えます。
電球を取り付ける場所に指定容量が表示されているので、電球を替える際はこれを超えない電球を選びましょう。
指定容量を超えた電球を使用してしまうと、電球が割れたり火災の原因となるため、非常に危険です。
指定容量以下の電球を使用しましょう。
ボルト数
ボルトとは「V」と表示され、電圧のことを表します。
地域によって違いはありますが、日本ではだいたい「100V」か「110V」と決まっています。
電圧の高い地域では、「110V」の電球を使うと長持ちすることもあるようです。
口金サイズ
口金(くちがね)とは、取り付け場所にある電球の接続部分のことを言います。
一般家庭では主に「E17」「E26」が主流で、このサイズが違うものは取り付けることができません。
電球の形
電球のガラス部分にも種類があり、一般家庭用は主に「ナス型」「ボール型」が主流です。
取り付け場所によって入る幅や深さが違うため、電球交換の際は古い電球と同じ形のものを選ぶと間違いありません。
電球の種類
白熱電球
昔の電球と言えば白熱電球で、最も種類が多く広く普及していた電球です。
暖かな光色で艶があり、立体感を表現できるのが魅力。
瞬時に点灯するので頻繁にオンオフする場所に適していますが、電力消費率が高く不経済で環境にも負荷がかかることからすでに生産が中止されており、現在は電球型蛍光灯やLED電球に変わっています。
- 価格帯
100~300円程度
- 寿命
1,000~4,000時間程度
- 光色
電球色
LED電球
白熱電球に代わり政府が推進しているのがLED電球です。
熱線を含まないため電球が熱くならず、瞬時に点灯させることができます。
購入時の価格は高いものの10年間は取り換え不要といわれるぐらい耐久時間が長いため、ランニングコストや省エネ率を考えると、長い目で見てコストパフォーマンスに優れた電球です。
調光機能に対応していないLED電球もあるので注意しましょう。
- 価格帯
約3,000円~
- 寿命
40,000時間程度
- 光色
昼白色、昼光色、電球色
蛍光灯
こちらも家庭で広く使われている電球です。
白熱電球よりも消費電力が少なく影が出にくく熱くなりにくいのが特徴で、オフィスでもよく利用されています。
白熱電球の生産中止に伴い、白熱電球のソケットそのままで使える「電球型蛍光灯」も発売されています。
- 価格帯
400円~程度
- 寿命
5,000時間程度
- 光色
昼光色、昼白色、電球色
ハロゲン電球
白熱電球と同じ仕組みですが、口金が違うため区別されています。
電球の中にガスが封入されているため白熱電球よりも大きな光を放つことができます。
サイズが小さいため、小さな照明器具に用いることができるので、ダウンライトや店舗の照明としても利用されています。
- 価格帯
約1,000円~ - 寿命
3,000時間程度 - 光色
電球色
部屋別おすすめ照明
住まいの照明は、設置する空間によって向いているものが異なります。
どの部屋にどんな照明器具を使うのが好ましいかを空間別に確認していきましょう。
ダイニング
ダイニングは家族が食事をする場所なので、料理がおいしく見える照明であることが大切です。
青白い光色よりもオレンジ色の光色のほうが、料理が自然な色合いに近づくなるため、よりおいしそうに見えます。
おすすめ電球:LED電球、白熱灯/電球色
キッチン
ダイニングと同じく食べ物を扱う場所ですが、ダイニングと違い調理という作業をする場所です。
手元が明るく照らして見やすくするためには、昼光色がおすすめです。
おすすめ電球:LED電球/昼光色
リビング
リビングは家族団らんで人が集まる場所なので、くつろげる雰囲気が大切です。
勉強や読書をすることも考えると、調光できて光色も変えられるタイプの照明が好ましいでしょう。
おすすめ電球:LED電球/電球色
寝室
一日の疲れを癒し、リラックスして眠りにつく場所である寝室は、青白い光よりもオレンジ色の暖かみのある光色が向いています。
視界に直接光が入ると眩しく感じて入眠の妨げになるので、寝室の全体照明はカバーに覆われたものを使ったり、間接照明を活用したりすると良いでしょう。
おすすめ電球:白熱灯/電球色
子供部屋
勉強をしたり、遊んだり、睡眠をとったり、様々な用途のある子供部屋は光色を変えられる電球が良いでしょう。
おすすめ電球:LED電球/昼白色/電球色
洗面所・トイレ・浴室
バスルームや洗面所などの水まわりの照明選びでは、故障などトラブルを避けるため防湿・防雨型のものを選びましょう。
清潔感が大切な場所なので、全体照明はすみずみまで照らせるものを使いましょう。
また、頻繁に利用する場所なので、すぐに点灯して省エネ効果の高い電球がおすすめです。
おすすめ電球:LED電球、白熱灯/電球色、昼白色
照明の色について
電球・蛍光灯の色は一般的に、「電球色」「温白色」「昼白色」「昼光色」の4種類です。
「電球色」はオレンジっぽく、「昼光色」は青白っぽい色になります。
順に見ていきましょう。
電球色
電球色とは、暖色系でオレンジっぽく温かみのある光の色です。
比較的明るさを抑えた落ち着きのある色で、目も疲れにくくリラックスしたい場所にぴったりです。
温白色
業界で最近少しずつ聞くようになってきた新しい色味です。
電球色と昼白色の間ぐらいの色で、どちらにするか選べなかった人にオススメ。
白色よりはやや自然な色合いとなっていますが、電球色よりはやや明るい色と感じます。
昼白色
昼白色とは、人にとって一番身近な太陽の明るさに最も近い自然な光の色です。
部屋はいきいきとした雰囲気になり、自然な明るさなのでどんな部屋にもマッチします。
オフィスなどの作業場所でも明るすぎると感じる方には昼白色がおすすめです。
昼光色
昼光色とは、他の色に比べて白っぽく青みがった最も明るい色です。
青みがかった光の色は脳を覚醒させる効果があり、集中力を高めるのに最適と言われています。
光を表す単位について
従来の電球や蛍光灯は、消費電力量を表す「ワット」が明るさの目安として表示されていました。
しかしLED電球やLED対応の照明器具の普及により、新しい単位が使われるようになりました。
それぞれどういった意味を持つ単位なのか見ていきましょう。
ルーメン(lm)
ルーメンは国際単位系(SI)における「光束」の単位です。
光束とは、ある面を通過する光の明るさを表す物理量のこと。
これを表す単位がルーメン(lm)です。
従来の電球や蛍光灯の明るさの目安は電力量(ワット)で表示されていましたが、LED照明では電球や蛍光灯に比べて、同じ明るさを実現するためのワット数がとても小さくなります。
そこで混乱を避けるために表示されるようになったのがルーメンです。
LED照明で従来の電球と同等の明るさを得るためには、電球のワット数に相当するルーメンの値を調べて選ぶ必要があります。
ルクス(lux)
ルクスは国際単位系(SI)における「照度」の単位で、物体の表面を照らす光の明るさを表す物理量のことをいいます。
1ルクスは「1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度」と定義されています。
ルーメンが照明器具自体の明るさを示しすものであるのに対して、ルクスは照らされた面の明るさを示すものです。
JIS照明基準では、空間の用途や作業内容に応じて推奨照度が定められており、例えば事務室であれば750ルクス以上の照度が推奨されています。
LEDをはじめ照明機器の明るさはルーメンで表示されることが多いですが、製品によっては一定条件におけるルクス値で表示される場合もあります。
カンデラ(cd)
カンデラは国際単位系(SI)における「光度」の単位です。
光度とは光源から特定の方向へ照射される光の強さのことをいいます。
カンデラとはラテン語でろうそくを意味する言葉で、英語のキャンドルと同じ語源の言葉です。
ですので、1カンデラは一般的なろうそく1本の明るさとほぼ同等とされています。
LEDの光度はカンデラの1000分の1のミリカンデラ(mcd)で表示されます。
一般的なLEDの光度はおよそ50mcdですが、高輝度タイプのLEDには光度15cd以上のものもあるようです。
LEDなど多くの照明器具は、照射する方向によって明るさが異なります。
その中で最も光度が強い方向の一点の光度を「最大光度」として表示します。
ケルビン(K)
光を見たときに「暖かい」「冷たい」と感じることがありますが、実は光は「色温度」で表すことができ、これには「K(ケルビン)」という単位が使われています。
ケルビンは熱力学の絶対温度の単位としても用いられている単位です。
光の色は、上がっていくにつれ「赤→黄→白→青白」へと色が変化していきます。
これは人間の感覚的な温度と色のイメージ(暖色・寒色)とは逆で、 赤みを帯びているほど色温度は低く、青みを帯びているほど色温度は高くなります。
つまり逆に言えば、ケルビン(K)の数値が低いほど赤みを帯び、数値が高いほど青みを帯びた白色になります。
まとめ
いかがでしたか?
1日の半分を占める夜を過ごすためには照明は欠かせないものです。
しかし時代の変化にともなって、照明の方法もいろいろ変わってきています。
それぞれの照明の特質をうまく利用して生活をより豊かなものにしたいですね。