暖房の設定温度を高くしてもなかなか暖かくならず、部屋が寒いと感じたことはありませんか?
しかも暖房は長時間使ったり設定温度を高くして使うほど、光熱費も高くなってしまいます。
そこで今日は、部屋が寒くなってしまう原因や、できるだけ暖房器具に頼らない部屋の防寒対策についてご紹介します。
目次
部屋が寒いそもそもの理由
暖房をきちんとつけてるのに部屋が冷える理由にはどんなものがあるのでしょうか?
窓の断熱性の低さ
近年は天井や壁などに断熱材を使用した住宅が一般的となってきました。
しかし、このような断熱性能を持った家でも冬は寒いと感じます。
これはなぜなのでしょうか?
実はこの寒さの原因は主に「窓」にあったのです。
実は部屋の暖かい空気の約50%は窓から逃げていくのです。
ちなみに部屋の床、壁、天井からは約10%前後~20%前後の熱が外に逃げていきます。
この数字を見てもわかるように部屋が寒くなる原因の半分は窓にあるといえるのです。
そのため、壁や天井に断熱材が使われていても、窓の断熱性能が低ければたちまち「冬は寒い部屋」になってしまいます。
また窓の断熱性能が低いことにより、結露も発生しやすくなります。
結露とは冷たい外気によって冷やされた窓が、室内の暖かい空気とぶつかり冷やされることで窓ガラスに水滴が表れる現象です。
結露は室内のカーテンなども濡れるため、カビやダニが発生しやすくなる弊害ももたらします。
このように窓の断熱性能が低いとさまざまな問題が起きやすくなります。
窓の寒さ対策
では、窓から入ってくる冷気を防ぐ方法と窓から暖気が出てゆくのを防ぐ方法をご紹介します。
厚手のカーテンに替える
まずは窓の防寒対策としてカーテンを見直してみましょう。
薄手のカーテンや窓を覆いきれていない丈の短いカーテンは、窓からの冷気を部屋に通してしまいます。
カーテンを新調するなら防寒がしっかりできる厚手のカーテンを選びましょう。
防熱効果や防音効果がある特殊加工された布を使用したカーテンを選べば失敗はないでしょう。
そして、カーテンの長さも防寒対策には重要です。
窓からの冷気を室内に入れないために、カーテンの長さは床に当たって少したるむくらいが理想的です。
また、防寒ができる厚手のカーテンは、冬場だけに限らず夏場の熱気の流入も抑えてくれるので、季節を問わず使用することができます。
隙間テープを貼る
窓のサッシから風が入ってくる場合に効果的なのは隙間テープです。
隙間テープは伸縮性のあるスポンジに粘着テープが付いていて簡単につけられるのが特徴。
窓やドアの隙間から入る冷気をシャットアウトしてくれるものです。
特に年数の経ったパッキンが劣化している窓枠の場合、隙間テープを貼ることで冷気を遮断する効果を十分に発揮してくれるのです。
断熱シートを貼る
窓に断熱シートを貼れば、室内の温度を保つことができます。
一般的な断熱シートとは、いわゆる梱包材のプチプチのような形状で、中には空気の層があり外気の温度を通しにくくしてくれます。
また種類が豊富で様々なタイプの断熱シートがあるので、用途に応じて選ぶことができます。
空気の層が外気の温度を伝えにくくしてくれるという特徴から、冬場だけでなく夏場の断熱にも効果が期待できるのです。
壁の寒さ対策
最近の賃貸物件では、壁に断熱効果のある素材を使用していることが増えていますが、古い物件は壁からの冷気を感じてしまう場合も多いです。
断熱効果のある壁紙を貼る
壁に断熱効果のある壁紙を貼ることで、室内の暖まった空気を室内に留める効果を見込むことができます。
ホームセンターなどで断熱効果のある壁紙を探してみましょう。
簡単にはがせるシールタイプなら扱いやすいでしょう。
使い方は部屋の壁に合わせてカットし、壁に貼るだけです。
面積が広いので多少手間はかかりますが、ハサミやカッターで簡単にカットできるので初心者でも比較的キレイに仕上げることができます。
費用を抑えたいのであれば、窓の防寒でもご紹介したプチプチの形状の断熱シートを壁に貼りましょう。
壁と家具の隙間にダンボールを挟む
断熱壁紙や断熱シートを貼る防寒対策は効果的ではありますが、すべての部屋の壁に貼ろうとすると、時間も労力も費用もかかるので大変な作業になってしまいます。
そこで、もっと手軽に壁の防寒をしたいならば、壁と家具の間に段ボールを挟むという方法を取り入れてみましょう。
壁全体の防寒効果は期待できませんが、家具の間に段ボールを挟むと空気の層ができ、部屋の暖まった空気を逃がさないという役割を果たしてくれます。
まずはこのような簡単な対策から始めて様子をみてみるのもいいでしょう。
床の寒さ対策
絨毯やカーペットを敷いているのに、冷たく感じたこともあります。
室温が暖かくなっても床が冷たいままであれば、布団やコタツから離れられなくなるものです。
ウレタンマットやコルクマットを敷く
小さいお子さんがいるご家庭で重宝されているジョイント式のウレタンマットやコルクマット。
防音のために使用している方が多いと思いますが、これは厚みがあり空気を通しにくいので、保温性にも優れた特徴があります。
ジグソーパズルのピースのようになっていて、数枚を組み合わせて敷くことができるので、どんなサイズの部屋にも対応できます。
これを部屋に敷きつめるだけで、フローリングから伝わる冷気をしっかりカバーしてくれるのです。
コルクマットを使用すればインテリアにもそれほど影響することはないでしょう。
アルミマットを敷く
キャンプなどのアウトドアシーンでは、防寒のためにテントの床にアルミシートやアルミマットを敷くことがよくあります。
アルミシートやアルミマットは非常に保温効果が高く、繊維毛布の約5〜6倍の保温性があるといわれています。
部屋の床にアルミシートやアルミマットを敷く場合は、単体使いするのではなく、その上からカーペットを敷きましょう。
相乗効果でより暖かく感じるのでおすすめです。
防寒効果のあるカーペット
冷える床の防寒には、すぐに暖まるホットカーペットが便利ですが、使い続けるとそれだけ電気代がかかってしまいます。
電気代をかけずに寒さ対策をするためには、できるだけ防寒効果の高い素材のカーペットを選んで敷きましょう。
冷気が伝わりやすいフローリングの床をカーペットで覆うことは、冬の寒さ対策に必要不可欠です。
一般的なカーペットに使用されている素材で、保温性に優れているといわれるものは、ウールや羊毛素材です。
ウールや羊毛以外の素材であっても、毛足が長くふんわりとしていて厚みがあるものは、空気を多く含むので暖かく感じられるでしょう。
上の項目でも述べましたが、カーペットやラグの下にはアルミシートを敷けば、床の防寒対策は完璧です。
その他の方法
せっかく部屋の防寒対策ができたので、暖房器具の使い方などをおさらいしてみましょう。
湿度を上げる
「寒さ対策に湿度なんて関係あるの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
例えば、夏は晴れている日よりもくもりの日に暑く感じることはありませんか?
実はこれは湿度が関係しています。
湿度とは、空気中に含まれている水分量のことです。
くもりの時は空気中に含まれる水分量が晴れの日に比べて多いため、ジメジメした蒸し暑さを感じやすいのです。
特に日本の気候は夏場は湿度が高い一方、冬場は湿度が低い傾向にあります。
なので、気温や室温以上に湿度の上下で寒さ暑さを感じやすいと言えるのです。
室温にもよりますが湿度を10%上げるだけで、体感温度は2〜3度上がります。
エアコンの電気代はとえいば、ダイキン工業の調べによれば部屋の暖房の温度を1度下げるだけで、年間1200円程度の節約になるそうです。
つまり、湿度を上げることで寒さを感じにくくなり、エアコンの電気代も節約することができるのです。
サーキュレーターを使用する
エアコンで部屋を暖めようとすると、暖かい空気は部屋の上部にたまるため、室内で温度のムラが起きてしまいます。
そうした温度のムラを解消するためにサーキュレーターを使いましょう。
サーキュレーターは夏場に使うものと思われがちですが、暖房により暖まった空気を部屋全体に循環させるためにも使うことができます。
暖房効率アップとともに、省エネ効果も期待できる注目アイテムです。
使い方は、サーキュレーターをエアコンの下に置き、対面する壁に暖かい空気をぶつけるように送風します。
そうすることで、上部にたまる暖かい空気が足元まで下り、うまく暖気が循環するのです。
注意点
石油ストーブや石油ファンヒーターといった火を使う暖房器具にサーキュレーターの風を直接当てると思わぬ事故につながる恐れがあります。
また、身体にサーキュレーターの風が当たると、思った以上に体感温度が低くなるため、人に直接当たらない向きで使用するように注意しましょう。
窓の下に暖房器具を置く
窓際で冷やされた空気は、壁に沿って下へ流れていきます。
ですので、窓の下に暖房器具を置くことで冷たい空気を暖めることができ、冷気が部屋に流れるのを阻止できるのです。
また、窓下に暖房器具を置くことは、寒さを防ぐとともに結露の防止にもなります。
注意点
石油ストーブや石油ファンヒーターなどの火を使うタイプの暖房器具は、窓下に置いて使用するには適していません。
カーテンに着火する恐れがあるので窓のそばで使用しないようにしてください。
パネル式のヒーターや電気式のヒーターなど、安全に使える暖房器具を選びましょう。
エアコンの羽は下向きにする
エアコンで部屋を暖める場合、風向きは「下向き」にしましょう。
暖かい空気は自然と部屋の上部に溜まるので、エアコンから出る暖気は下に向けて流す方が部屋全体が早く暖まります。
エアコンの暖房は「自動運転」を選べば、大抵羽は「下向き」に設定され、部屋の温度に合わせて風量も調節してくれます。
エアコンで部屋を暖めるには、自己流で向きや風量を調節するより、エアコンの「自動運転」に任せる方が無駄がなく確実といえます。
24時間換気システムについて
2003年の建築基準法の改正により、それ以降に建てられた住宅には24時間換気システムの設置が義務づけられています。
換気をすることで部屋の熱は逃げますが、24時間換気システムは切らないようにしましょう。
24時間換気システムは、建材に含まれる化学物質によって起こるアレルギーなどの健康被害(シックハウス症候群など)を防ぐために設置されています。
寒さ対策のために健康を害することは得策ではありません。
24時間換気を止める前にそのほかの断熱対策に取り組みましょう。
まとめ
いかがでしたか?
寒い部屋を暖かくする方法をご紹介しました。
お部屋にひと手間の工夫を加えることで、ぐっと冬を快適に過ごせるようになります。
同時に光熱費の節約にもつながるので一石二鳥でしょう。
今年の冬は、今日ご紹介した寒さ対策で暖かなお部屋を作ってくつろげるようにしたいですね。