10月も中旬に入り、そろそろ暖房器具を出そうかなと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
部屋を暖める暖房器具にはさまざまな種類があります。
使い方や形状が異なるのはもちろん、温められる範囲や特徴など様々な違いがあります。
そのため、暖房器具を購入する際は、メリットはもちろんのこと、デメリットもしっかり把握したうえで、用途に合うものを選ぶことが大切です。
今日は、暖房器具ごとのメリットやデメリットについて詳しくまとめました。
それぞれの特徴を知り、あなたのライフスタイルに合うものはどれか見極めてみましょう。
目次
対流式と輻射式
暖房には対流式(たいりゅうしき)と輻射式(ふくしゃしき)の2種類があります。
対流式暖房とは空気そのものを暖めて、その空気を循環させることによって部屋全体を暖める暖房方式です。
石油ファンヒーターや電気ファンヒーター、エアコンなどが対流式の暖房です。
輻射式暖房とは人を直接温める方式です。
例えば、人が直接赤外線に当たることで暖かくなる暖房方式の代表がこたつ。
また、オイルヒーターも輻射式の暖房器具になります。
輻射式は一部のモノを暖め熱を伝える暖房方式なので、部屋全体を暖める暖房器具としては空気を直接暖める対流方式よりは劣ります。
様々な暖房器具について
ここからは、対流式と輻射式を加味して暖房器具のメリットとデメリットについてお話します。
エアコン
冷房機能があるので、一年を通して使うのが普通でしょう。
技術の進化により、省エネ化や出先からの遠隔操作など、より優れた機能を持つ機種が年々登場しています。
設置する手間がかかり高価ではありますが、9割以上の住宅で使用されている空調器具です。
実は最大のメリットは何と言ってもランニングコストの安さにあります。
エアコンは電気代がかかるイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、暖房器具の中では1位、2位を争うお財布にやさしいエコな暖房器具です。
ただし、20年、30年前の古い機種となると話は別で、逆に電気代がかかってしまいます。
「古くてもまだ動くから」といった思いはあっても、ランニングコストを考慮すれば省エネ対応している比較的新しい機種への買い替えをお勧めします。
メリット
- 部屋全体を温められる
- 収納に困らない
- 省エネ機種は電気代が安い
- 火事の心配がない
デメリット
- 空気が乾燥しやすい。
- 他の暖房器具に比べて高価
- 業者による取り付けが必要
石油ファンヒーター
石油ファンヒーターとはいいますが、燃焼燃料は灯油になります。
灯油は比較的安価な原料で、費用対効果を考えるとエアコンの次にエコな暖房器具です。
そして、石油ファンヒーター最大のメリットはその即暖性。
温風がどんどん排出され、あっという間に部屋中を暖めることが出来るのが最大のメリットです。
また、エアコンのように部屋の空気を乾燥させることなく、燃焼することにより水蒸気が発生するので、ある程度の湿度を保つことが出来ます。
メリット
- 部屋がすぐに暖まる
- 部屋が乾燥しづらい
- 転倒時の自動停止などの安全機能が搭載されている
デメリット
- 灯油代と給油の手間がかかる
- オイル臭がする
- 定期的な換気が必要
石油ストーブ
石油ストーブは、燃料にコスパの高い灯油のみを用いるので、安価で利用できる暖房器具と言えます。
風が発生しないため、徐々に火のあたたかさが部屋に広がります。
尚、石油ファンヒーターは風を発生させるために電気を必要としますが、石油ストーブは電源が不要なため、災害時や停電時に使えるのも特徴です。
実際に火を生じさせるため、お餅を焼いたりお湯を沸かしたりという調理を行うことができます。
しかし、小さいお子さんやペットのいるご家庭では使用に注意が必要です。
また、灯油を使用するため不完全燃焼による一酸化炭素中毒には気をつけましょう。
1時間に2~3分は定期的に換気するようにし、石油ストーブをつけたままの外出も避けなければなりません。
メリット
- 部屋全体を暖められる
- スポットで暖を取ることができる
- 電気が不要なので停電時でも使用できる
デメリット
- オイル臭がする
- ペットや幼児のいる家庭では注意が必要
- 定期的な換気が必要
- 付近の布類などに引火・発火する危険性がある
ガスファンヒーター
外壁に「給排気筒」を通すことで、燃焼に必要な空気を直接引き込んで部屋の空気を暖めます。
石油系と同様に速暖性に優れているので「今すぐ部屋を暖めたい」というときにはぴったりです。
また、給油などの手間がかからず、スイッチ一つで済むので手軽です。
ただし、ガスの種類制限や配管など設置に関しては考慮する必要があり、都市ガスとプロパンガスでモデルが異なるため、購入前に自宅のガスがどちらなのか確認が必要です。
メリット
- 即暖性に優れている
- 灯油燃料のような独特の臭いがない
- 空気が乾燥しにくい
- 燃料補給などの手間がない
デメリット
- ガス管が無い場合に工事が必要
- 設置場所が限られる
- 定期的な換気が必要
オイルヒーター
電力で内部のオイルを温めて循環させ、そうして暖めたパネルから熱を放出させます。
冬季は常に外気がマイナス温度になる北欧ではポピュラーな暖房器具で、ゆっくりと時間をかけて建物全体を温めます。
つけっぱなしの状態で使うのが一般的。
温まるのに時間がかかるので、点けたり消したりするとコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
ペットやお年寄り、小さい子供のいる部屋には最適です。
メリット
- 安全性に優れている。
- 送風がない為、埃が舞わない
- 空気が汚れない
- 稼働音がなく静か
デメリット
- 即暖性がない
- 気密性・保温性に優れた部屋でなければ効果が薄い
- 電気代がかかる
パネルヒーター
オイルヒーターに比べて面積は少ないのですが、代わりに表面温度が少々高めなのが特徴。
オイルは使用せず、電気の力でパネルを直接温めます。
最近ではスリムでデザインの凝ったものも多く出回っており、インテリアの面でも注目を浴びています。
メリット
- 送風がない為、埃が舞わない
- 空気が汚れない
- シンプルな造りで故障しづらい
デメリット
- 部屋全体を温めるのに時間がかかる
- 電気代がかかる
電気ストーブ
ハロゲンヒーターやシーズーヒーターとも呼ばれている電気ストーブは、暖房機器のなかでも比較的コンパクトで価格も手ごろです。
メリット
- 安全性が高い
- 即暖性がある
- 燃料が不要
デメリット
- スイッチを切るとすぐに冷える
- 電気代がかかる
- 広い部屋には不向き
セラミックファンヒーター
電気の力でセラミックを温め、ファンで温風を発生させます。
熱効率のいいセラミックを使用することで素早く温度が上がります。
近年、技術革新で小型化され、加湿機能を備えた高機能なものもある非燃焼の暖房器具です。
メリット
- 比較的速暖性がある
- 換気は不要で安全性が高い
- 小型なのでトイレなどの狭い室内に適している
デメリット
- 電気代がかかる
- 広い部屋には適さない
用途別のおすすめ暖房器具
暖房器具を購入する際は、「何を重視するか」によって、室内環境、家族構成に合う適切なものを選びましょう。
乾燥が気になる
- 石油ストーブ
- 電気ストーブ
暖房による空気の乾燥は美肌の大敵です。
お肌の乾燥を防ぎたい方は、空気が乾燥しづらい、石油ストーブ、電気ストーブ、を選びましょう。
送風機能がない分即暖性には欠けますが、空気の温度が急激に上昇しないため乾燥を防げるメリットがあります。
安全性を重視したい
- エアコン
- 電気ファンヒーター
- オイルヒーター
とくに、火傷や火災のリスクを防ぎたい場合は、エアコンがおすすめ。
エアコンは電力以外使用しないことに加えて、子どもの手が届かない高所に設置するため、安心して使用することができます。
素早く部屋を暖めたい
- 石油ファンヒーター
とくに石油ファンヒーターは、電気と灯油を使用するので即暖性が一番高い暖房機器です。
温度調整もスイッチひとつで簡単に操作することができるので、部屋が暖まった後は設定温度をすぐに下げることができます。
災害時の備えもしたい
- 石油ストーブ
コンセントから電源を取らずに使用できる石油ストーブは、災害が起きたときに活躍します。
暖房機器としてだけでなく、お湯を沸かしたり簡単な調理もできる優れものです。
万が一の備えとして1台購入しておくと安心できるでしょう。
まとめ
暖房機器にはたくさんの種類がありますが、それぞれ温かさはもちろん、コストや安全性が異なります。
また、部屋の広さや生活環境によって、最適な暖房器具が変わるため、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておくことが重要です。
寒い冬を快適に過ごすためにも、自分にとって一番合う暖房機器を選んでみてください。