進学や就職、結婚などで引っ越す時に、賃貸物件を検討する方は多くいます。
そんな時、物件選びで欠かせないステップの「内見」。
お部屋探しを成功させるためには内見は絶対に必要です。
気になる部屋を見つけたら、不動産屋の担当者に連絡をして必ず内見をするようにしましょう。
今日は、賃貸住宅の内見時に絶対確認しておきたいことについてお話をします。
目次
内見とは?
内見とは「内部見学」の略で、不動産会社や賃貸情報サイトからの物件情報を見て気になる物件があった場合に、実際にその部屋を見学することをいいます。
物件によってはすぐに内見できないケースもありますが、別の方法で内見の機会を作ってくれる不動産会社が多いため、内見せずにそのまま契約することはほとんどないと言ってもいいでしょう。
室内編:内見時にチェックしておきたいポイント
基本的な条件や雰囲気は、図面や写真で確認することとができますが、捉え方や感じ方は人それぞれです。
実際に自分の目で見なければわからないことは意外とたくさんあります。
そのため、物件に直接足を運ぶ内見は、理想の部屋探しに欠かすことができません。
まず言える内見のポイントは、あなたが「ここだけは譲れない」と思う条件を明確にしておくこと。
内見でいろいろな部屋を比較していると、どの部屋を選ぶべきかわからなくなってしまうものです。しかし自分の中で優先順位を明確にしておくと、理想を見失わずに部屋選びができます。
しかし、居心地のいい部屋や物件には共通点があるものです。
それを踏まえて、内見の時に確認しておきたいポイントにはどんなものがあるのでしょうか?
空室期間と回転率の確認
空室期間や回転率は、その部屋の状況を知ることができる重要なポイントです。
たとえば、次のように解釈することができます。
- 空室期間が短い:人気がある=住みやすい
- 空室期間が長い:入居が決まらない何かしらの理由がある
- 回転率が高い:人気があるが住みにくい理由がある
- 回転率が低い:定着しやすい=住みやすい
一概には言えませんが、上記のような状況が想定されます。
空室期間が長かったり回転率が高かったりする場合は、担当者に理由を確認してみましょう。
日当たり
部屋の日当たりは生活リズムを整えるうえで大切なポイント。
とくに洗濯物を外で干したい方は要チェックです。
また、梅雨の時期に備えて、浴室乾燥機などがあるかも確認しましょう。
ベランダ
広さだけでなく、洗濯物を吊るせる高さが確保されているか確認しましょう。
また、女性であれば、外から侵入される恐れがないかも合わせてチェックします。
洗濯機置場
洗濯機置き場は室内か屋外か確認します。
屋外の場合は、洗濯機が汚れやすいというデメリットがあります。
室内なら置き場所のサイズを測りましょう。
また、脱衣所から離れていると、洗濯物を持っていく手間がかかるので注意が必要です。
トイレ
トイレは便器だけでなく、トイレタンクの中も確認します。
手入れがされてないと、カビが生えていることもあります。
もしカビがあったら入居までに清掃しておいてもらいましょう。
水回り
キッチンシンクやトイレ、風呂場の排水口などに大きなキズや汚れがないかチェックしましょう。
また見るからに古いものは故障しやすいので、過去に破損や修理した経緯があるか確認しましょう。
シャワーの水圧
引っ越した後、意外に不満を持ちやすいポイントが、シャワーの水圧です。
シャワーヘッドを購入して取り換えることもできますが、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
コンセント・TV線の位置
コンセントの位置によっては、家具を配置する際の障害になってしまいます。
動かすのが難しいベッドや棚を置きたい位置と被っていないか、延長コードで対応できるかなどを検討してみてください。
スマホの電波
スマホの電波が入るかきちんと確認しましょう。
特に周りが高い建物で囲まれているときは注意してください。
もし電波がつながりにくい場合、大手携帯キャリアであればホームアンテナを貸与してくれるようなので調べてみましょう。
生活音
防音性が低い物件であれば、隣人が電話で話す声が聞こえたり、自分の生活音が漏れたりする可能性が高くなります。
壁を軽く叩いたり、耳を当てて確認するのも良い方法です。
壁や天井の厚さ
隣の人の生活音や上階の足音、道路を走る車の騒音などがうるさくないか、どのくらい響くのかチェックしましょう。
壁が薄いと、こちらの生活音も筒抜けになってしまう可能性があります。
女性の一人暮らしやお子さんがいる家庭は特に気にしたいポイントです。
昼間よりも夕方以降が確認しやすいでしょう。
収納
備え付け収納スペースの有無は、家具を揃えるうえで大切なポイントです。
とくに使用頻度の高いクローゼットや靴箱がない場合は、不便に感じることになりがちです。
臭い
前の住人の生活臭・タバコ臭や、排水溝からの異臭がしないかを確認しましょう。
臭いは部屋にいる時はずっと気になってしまうもの。
ごまかしが効きにく、我慢するのが難しいポイントなのできちんとチェックしましょう。
湿気
湿気がたまりやすい家は、入ったときにムワッとした空気を感じます。
排気口や壁紙にカビ・雨漏りの跡がないかを確認しましょう。
押し入れやクローゼットの奥、部屋の四隅、日射しが入らない北側の壁などに結露やカビが発生しないかチェック。
特に、窓枠の端っこは湿気がたまりやすいので、ここが不自然に塗装されていたら注意が必要です。
ドアや扉の立て付け
ドアや扉の立て付けに不具合がないか確認しましょう。
立て付けが悪い場合は単に古いだけでなく、建物の構造が歪んでいる可能性があります。
耐震性にも関わりますので、しっかりと確認しましょう。
耐震強度
耐震性については、築年数である程度知ることができます。
目安として、1981年の6月以降に建てられた建物であれば、新耐震基準をクリアしているので比較的安心です。
玄関のドア
カギの数と種類を確認しましょう。
数は多い方が良く、種類はディンプルシリンダー錠など防犯性が高いものが好ましいです。
ドアのサイズ
家具を搬入できるかどうか、ドアのサイズか確認しましょう。
建物の廊下や階段・エレベーターが狭い場合も、搬入が困難になる場合があります。
部屋の傾き
部屋の傾きが、頭痛やめまいなど健康に影響を及ぼすこともあります。
見た目ではなかなか分からない部屋の傾きもきちんと確認しておきましょう。
現在は、スマホ上でチェックできるアプリが出ています。
実際、木造で築年数が古い賃料が安い物件にはガタが見られるので注意しましょう。
壁などの汚れや傷
内見時に細かく見ることは大変ですが、もし契約を決めたいと思ったのならば、それまでにはきちんと確認しておきましょう。
気になる場所がある時は写真撮影のうえ事前に相談をします。
退去時の「敷金返還」に影響が出ないよう先手を打っておくことが大事です。
エアコン
実はエアコンも部屋の判断基準となる部分。
きちんと動作するかだけでなく年式も調べましょう。
古いものだと電気代が高くなりがちです。
住人のトラブル
エントランスやフロアごとに設置されている掲示板があったら見てみましょう。
注意書きの内容からどんなトラブルが起こりやすいか想像することができます。
一般的な注意書きならいいですが、「22時以降の騒音に近隣からクレームが来ている」「共用廊下に私物を置かないで」「ゴミ出しのルールを守ろう」といった具体的な内容だったら要注意です。
住人の家族構成
入居したい部屋の上下左右にどのような住民が住んでいるか確認しましょう。
生活スタイルや家族構成によっては、騒音などのトラブルが発生する可能性もあります。
また、過去の住人がどのような人だったのか、退去理由は何かを聞いてみましょう。
共用部分編:内見時にチェックしておきたいポイント
共用部分に目を向けて、きちんと管理が行き届いているかどうか、居住者はマナーを守っているかといった事情を知りましょう。
宅配BOX
Amazonや楽天といったネット通販サービスを利用する方は、宅配BOXがあると便利です。
最近は独自に簡易的な配達BOXを設ける方もいるので、代替え案も含めて検討してみましょう。
郵便受け
郵便ボックスはカギの有無と散らかり具合をチェックしましょう。
散らかっていれば管理がずさんな可能性があります。
さらに外から郵便受けに手を入れられないかも確認ましょう。
駐輪場と駐車場
とくに駅から離れている物件であれば、駐輪スペースの有無は大切です。
屋根の有無によって保管の仕方も変わるので、しっかりと確認しましょう。
ゴミ置き場
マンションやアパートの集合住宅に住む場合、ゴミ置き場の使い勝手はとても重要です。
特に24時間ゴミ出しが可能か、きっちり朝に出す必要があるのかは生活リズムに関わるので要確認です。
また、ゴミ置き場が見るからに不衛生な状態になっているようであれば、住人のモラルに問題がある場合があるので要注意です。
セキュリティ
防犯カメラの有無のほか、侵入経路になりうる箇所がないかもチェックしたいところです。
1階の柵は外から乗り越えられるような高さではないか、建物の裏手に侵入できてしまいそうなルートはないかなども見ておきましょう。
管理と清掃
エントランス、エレベーター、廊下、ゴミ捨て場などがきれいに管理されているか確認。
管理状況が悪く、汚れていたり荒れていたりする場合は、モラルの低い人が住んでいる可能性もあります。
近隣環境編:内見時にチェックしておきたいポイント
物件の良し悪しを左右するのは建物だけではありません。
周辺環境がいかに充実し、整っているかどうかも大事な判断基準になります。
スーパーとコンビニ
普段の生活に欠かせないコンビニやスーパーとの位置関係はしっかり確認しておきたいところ。
また営業時間の確認も忘れずにチェックしましょう。
出来ればそのお店の品揃えや価格相場もチェックしてみるといいでしょう。
飲食店
外食が多い方は、近隣の飲食店にどれぐらいバリエーションがあるかを確認しておきましょう。
お気入りのカフェなどがあると、家以外の居場所ができて生活の幅が広がるので、気になる店は内見のついでに入ってみるのも手です。
ただし、夜遅くまでやっている飲食店や娯楽施設に隣接していると、夜中でもうるさい場合があるので要注意です。
治安
治安の良し悪しは実際に行ってみてその雰囲気を掴むことが大切です。
物件までの移動中はついつい図面に集中しがちですが、街灯があるか、人通りは多いか、などはチェックしておきましょう。
改めて夜に訪問し、実際に周辺を歩くのも有効です。
昼間は見晴らしが良い通りだとしても、夜は街灯が暗くて怖いと感じるかもしれません。
騒音
パチンコ店など大きな音が発生する施設は近くに無いか、近くに幹線道路があれば交通量が多すぎないか、など把握しておきましょう。
幹線道路の交通量の多さは騒音に直結します。
近隣に病院や消防署がある場合は緊急車両の出入りも考慮する必要があるでしょう。
駅からの徒歩時間
図面に書かれている「徒歩○分」は80mあたりを1分で換算したもので、信号などで立ち止まることは考慮されていません。
出来れば駅からの所要時間を自分の足で確かめておきたいところです。
途中で急な坂道が続いたり、なかなか信号が変わらない交差点があったり、図面では分からない発見があるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
不動産会社を訪れた際に大切なのは、きちんと担当者と話をすることです。
希望条件や各条件の優先順位などを伝えることで、担当スタッフも希望に沿った物件を掲示しやすくなります。
実際に住みはじめて「ここじゃなかった・・・」なんて後悔しないよう、内見のチェック項目をしっかり把握し、見定める気持ちで内見に臨みましょう。