災害時の備蓄とローリングストックについて

災害時の備蓄とローリングストックについて

近頃、記録的な大雨によって各地に大きな被害がもたらされています。

災害が発生しても地方自治体は非常用食料を備蓄しているのでしょう?と思われるかもしれませんが、公的な支援物資はすぐには届かないものです。

さらに、コンビニなどの店舗には人が殺到しすぐに商品が無くなってしまいます。
そのため、家庭で非常食等の防災グッズを備える事はとても重要なことなのです。

今日は家庭でできる食料の備蓄について紹介します。

目次

非常食とは?

災害や遭難など非常事態により、食料の確保が困難になった時のための食料のことを「非常食」といいます。
代表的な非常食には、水、アルファ米、パン、レトルト食品、缶詰、カンパン、チョコレートなどがあげられます。

では、何をポイントとして非常食を選べば良いのでしょうか?

常温で日持ちするもの

備蓄用にと特別に買い揃えずとも、缶詰、インスタント食品、パスタ類、基本調味料、乾物など、家にある日持ちする食材は案外多いものです。

災害時、冷蔵庫が使えないことを前提に、家族が1週間生命をつなげる最低限の食材のストック分として数を補充し、必要なものを買い足しておきましょう。

災害直後は電気・ガス・水道などのライフラインがとまることを想定し、火や水が使えない状態でも食事ができるよう、常温保存ができ調理しなくてもすぐに食べられる食品を多めに用意しておきます。

また、備蓄する食品は特別なものではなく、普段食べている銘柄のものがおすすめです。
災害時は不便な生活を強いられ緊張感も高いため、なじみの味や食材で思いの外安心感が得られたり、災害を乗り切るための活力が得られたりするものです。

栄養素がとれる代用食品

常温で日持ちするものに限ると、緑黄色野菜に多いビタミンAやビタミンC、肉や魚から摂取できるたんぱく質が不足してしまいがちです。

ビタミンAやCは野菜ジュースや果物のジュース、缶詰など。
たんぱく質は肉や魚の缶詰、肉や魚を使ったレトルト食品。
豆や高野豆腐などの植物性たんぱく質を意識的に備蓄リストに加えましょう。

手軽に食べやすい

避難袋やリュックに入れて持ち出せることを前提としている非常食には、軽くて持ち運びがしやすい手軽さも重要です。

緊急用の食材を選ぶポイントは、食べるまでに時間や手間がかからないもので、容器や袋を開けただけですぐ食べられるものが理想です。

避難人数×1~2食程度は防災リュックに入れておくと安心です。

缶詰はプルタブがついていて、簡単に開けられるタイプのものを選びましょう。
避難生活では水は貴重で食器を洗うこともできなくなるため、使い捨て食器が付属しているか、食べた後小さくつぶせて捨てやすい包装になっている物がおすすめです。

なにをどれくらい備蓄しておくの?

これまで、備蓄は3日分あれば十分と言われていました。
しかし非常に広い地域に甚大な被害が及ぶ可能性のある南海トラフ巨大地震が発生した場合は、「1週間以上」の備蓄が望ましいとの指摘もあります。

以下に、1人が最低限必要とする非常食を表にしました。
保存期限と併せて確認しましょう。

飲料水 ご飯
(アルファ米)
レトルト食品 板チョコレート カンパン 缶詰
3日分/1名 9L 4~5食 6~8食 2~3枚 1~2缶 2~3缶
保存可能期間 約2~5年 約5年 約2~3年 約半年~1年 約3~5年 約2~3年

非常食は基本的に平均2~5年持つと言われています。
しかし処理方法によって賞味期限は異なりますので、必ず確認してから備蓄をしましょう。

ローリングストック

ローリングストックとは、普段の生活で使う食料(もちろん非常食でもOKです)や日用品を非常時に備えて多めに買っておきストックされた中の古い物から順に日々の生活の中で使い、その使った分を買い足すことで常に新しいものが保存(備蓄)されていくという災害用備蓄の考え方です。

ローリングストックのメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 日々の生活の中で古いものから消費し新しいものを買い足していくことで、備蓄品の「期限切れ」を防ぐことができる。
  • 災害が発生しても普段から食べ慣れたものを食べることができるので安心感がある。
  • 賞味期限の長いものに限る必要がないので、様々な種類の好きなものを備えておくことができる。

ローリングストックをやってみる

常に最小限備えるべき品目・量を保ちながら、多めに備えているものを日常の中で消費していくだけですので、特別な準備は必要ありません。

それでは手順をご説明します。

1.多めに食料や飲料水を買っておく

備蓄しておく食料を購入します。
「買い置き」と捉えれば、レトルト食品や缶詰だけでなく、野菜のような生鮮品や冷凍食品などもローリングストックの対象にすることができます。

また、食品だけではなく、飲料水やトイレットペーパー、カセットボンベ、乾電池といった生活必需品も用意しておきましょう。

2.古くなったものから順に普段の生活の中で使っていく

買っておいたもののうち、古くなった(期限が迫ってきた)ものから毎日の生活の中で消費していきましょう。

定期的に消費する日を決めておくとスムーズに循環させやすくなります。

3.使った分を買い足し、新しいものを備えておく

災害はいつ起きるかわかりません。
消費した分はなるべく早く補充するようにしましょう。

実践する上でのポイント

ローリングストックを実践する上で、2つのポイントをしっかりおさえておきましょう。

まずは、古いものから使うこと。

備蓄する食料が古くなってしまわないよう、消費の際には必ず一番古いものから使うようにしましょう。

新しいものを手前に配置し奥の古いものから使っていく、というように工夫をして上手に循環させることが大切です。

次に、使った分は必ず補充すること。

備蓄品としてストックしているものはいつ食べても構いません。
ただし、消費した量を必ず買い足すようにしましょう。

ちょっと補充を怠ったタイミングで災害が来る可能性もありますから、消費した分の補充は必ず直後に行いましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今日は、非常食を中心にローリングストックの方法とコツを紹介しました。

食べ慣れていて保存がきく食品を備蓄するのは取り組みやすいうえ、避難生活中でも普段と近い食事をすることができます。
それによって心が落ち着いたり、活力も湧いてきたりする効果が期待できるのです。

あなたの好きな食品で、楽しみながらぜひローリングストックしてみてください。

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