- エアコンでかかる電気代は期間消費電力を使って計算しましょう
- 最新モデルのエアコンは電気代が安いです
- 長時間エアコンを使う場合は「つけっぱなし」がお得です
電気代を節約するために、エアコンでどれだけ電気代がかかっているかを知ることは重要です。
夏場の電気代の約6割はエアコンが占めているとも言われるくらいですので、エアコンの電気代を削減することが節約に大きく貢献するのは言うまでもありません。
また、エアコンは頻繁につけたり消したりするよりも、つけっぱなしのほうがお得だと聞いたことがあると思います。
そこで今日は実際にエアコンの電気代はいくらかかっているのか、つけっぱなしと頻繁にオン/オフをするのではどちらが良いのか、エアコンで節約する際のポイントを解説します。
目次
エアコンの電気代を計算しよう
エアコンの電気代を知るために、まずはエアコンの電気代を計算する方法を見ていきましょう。
電気代を計算する上で、今回は27円/kWh(税込)を電気代の目安単価として使います。
この金額は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の「電気料金の目安単価」を参考としています。
単価については契約している電力会社や契約プラン、電気の使用量によっても変わります。
消費電力と消費電力量
エアコンの電気代を計算するうえで、「消費電力(W)」と「消費電力量(kWh)」について知っておきましょう。
消費電力
消費電力は単位がW(ワット)で表され、電化製品を動かすのに必要なエネルギーの量のことをいいます。
家電製品の説明書などで見ることができ、エアコンの場合は本体の側面に貼ってあります。
エアコンの消費電力
エアコンの場合、消費電力は冷房と暖房で異なります。
消費電力量
消費電力量は以下の式で表されます。
【消費電力量=消費電力(W)×時間(h)】
つまり、電化製品を1時間稼働させる時に必要なエネルギー量を表しています。
単位はkWh(キロワットアワー)です。
電力会社から送られてくる検針票には1kWhごとで表示されていることが多いです。
【消費電力量】
消費電力1500Wの電子レンジで6分加熱をした場合
1500W×0.1(6分/60分)=150Wh=0.15kWh
A. 0.15kWh(キロワットアワー)
消費電量でエアコンの電気代を計算する
エアコンの電気代を消費電力を使って計算してみましょう。
以下の手順で計算をすることで、1時間、1週間、1ヶ月あたりなどの電気代を自由に計算することができます。
- エアコンの消費電力をkW単位に直す(1000で割る)
- ①に1kWhあたりの電気料金単価をかける
- エアコンを稼働させた時間を②にかける
例として、900Wのエアコンの1時間あたりの電気代を算出してみましょう。
- 消費電力(W)をkWh単位に直すと、0.9kWになります。
- 0.9kWに27円/kWhをかけると24.3円/h
つまり、1時間あたりのエアコンの電気代は24.3円となります。
続いて、同じ消費電力900Wのエアコンを1ヶ月使ったときの電気代を計算してみましょう。
毎日8時間を1ヶ月間(30日)使ったとします。
先ほど1時間あたりの電気代がわかったので、1ヶ月間で稼働させたエアコンの稼働時間を算出します。
1ヶ月間のエアコンの稼働時間は、8時間/日×30日(1ヶ月)=240時間
よって、1ヶ月あたりのエアコンの電気代は、
1ヶ月あたりの電気代=24.3円/h×240時間=5,832円/月
エアコンの稼働時間や日数を把握しておけば簡単に電気代を計算することができます。
ただし、概算は計算できるもののエアコンは消費電力が変化しやすいため、あくまで参考としてみてください。
消費電力量でエアコン電気代を計算する
エアコンの電気代をより正確に求めるには、消費電力量を用いた計算が実は効果的です。
具体的には「期間消費電力量」を使います。
期間消費電力量はエアコンを1年間、冷暖房で使ったときにかかる消費電力量の目安です。
お住まいの地域や気象状況、使う場所の条件によって消費電力は変わるので、それを期間消費電力量という数値で表しています。
ちなみに、各エアコンの期間消費電力量は日本産業規格JIS C 9612にもとづいて算出されています。
年間で冷房と暖房の期間を決めて、外気温ごとの消費電力をすべて合わせたもので、この値が小さいほどエネルギー効率が良くなります。
つまり、省エネであることを意味しています。
例として、期間消費電力量が850kWhとなっている場合、年間の電気代は以下のように計算できます。
年間の電気代=800kWh×27円/kWh=22,950円
ご自宅のエアコンの電気代を計算する場合は、ぜひ期間消費電力量を使って年間の電気代を算出してみましょう。
電気料金の単価は契約している電力会社に確認してください。
エアコンの電気代は実際どのくらい?
実際にエアコンの電気代はいくらくらいかかるのか、ダイキンの2021年モデル「Aシリーズ」を参考に電気代を出してみました。
ダイキン2021年モデルエアコン「Aシリーズ」電気代
畳数 型番 |
年間の電気代 (期間消費電力) |
【暖房時】 1時間あたりの電気代 (消費電力) |
【冷房時】 1時間あたりの電気代 (消費電力) |
6畳 AN22YAS-W |
17,010円 (630kWh) |
3.0円~50.8円 (110W~1,880W) |
3.1円~25.9円 (115W~960W) |
8畳 AN25YAS-W |
19,359円 (717kWh) |
3.0円~49.7円 (110W~1,840W) |
2.8円~24.8円 (105W~920W) |
10畳 AN28YAS-W |
21,033円 (779kWh) |
2.7円~54.0円 (100W~2,000W) |
2.7円~27.0円 (100W~1,000W) |
12畳 AN36YAS-W |
28,296円 (1,048kWh) |
2.7円~54.0円 (100W~2,000W) |
2.7円~27.8円 (100W~1,030W) |
14畳 AN40YAS-W |
28,782円 (1,066kWh) |
2.2円~100.7円 (80W~3,730W) |
2.3円~35.9円 (85W~1,330W) |
18畳 AN56YAS-W |
44,685円 (1,655kWh) |
2.3円~100.7円 (85W~3,730円) |
2.3円~43.7円 (85W~1,620W) |
20畳 AN63YAS-W |
51,894円 (1,922kWh) |
2.4円~100.7円 (90W~3,730W) |
2.4円~49.1円 (90W~1,820W) |
表にある年間の電気代を見ても、月々に換算して1,417円~4,324円と最新式のエアコンの電気代はとても安いです。
性能も毎年のようにアップし、省エネ化がどんどん進んでいます。
しかし、これが安いかどうかは比較してみないとわからないものです。
8年前のエアコンの電気代
そこで、同じタイプのエアコンを8年前のものと比較してみましょう。
ここでは2012年発売のエアコン「S56NTAXP-W(18畳)」と2020年発売のモデル「S56XTAXP-W(18畳)」を比較します。
8年前と最新のエアコンの電気代比較
モデル | 畳数 型番 |
年間の電気代 (期間消費電力) |
【暖房時】 1時間あたりの電気代 (消費電力) |
【冷房時】 1時間あたりの電気代 (消費電力) |
2012年 | 6 S56NTAXP-W |
53,163円 1,969kWh |
2.2円~95.3円 (80W~3,530W) |
2.2円~60.8円 (80W~2,250W) |
2020年 | 18 S56XTAXV-W |
44,685円 1,655kWh |
2.3円~100.7円 (85W~3,730W) |
2.3円~43.7円 (85W~1,620W) |
上記から分かる通り、同じモデルでも8年前よりも最新式モデルのほうが8,478円も安くなっています。
電気代が高い場合は、エアコンに限らず古い家電の買い替えをすることでも大きな節約をすることができます。
ただし、電気代に関しては契約している電力会社や料金プラン、エアコンの使い方、地域の気温差によっても変わってくるものです。
まずはお使いのエアコンの性能を調べて、実際にご自宅の電気代を計算することから始めましょう。
エアコンの電気代を節約する際のポイント
ここからはエアコンを使って電気代を節約する際のポイントをお話していきます。
エアコンのつけっぱなしは電気代がお得になるのか
エアコンの電気代を安くすることにおいて、「エアコンはつけっぱなしのほうが電気代が安く済む」ということを聞いたことはありませんか?
「なんとなくわかる気もするけど、実際のところはわからない」という方が多いと思います。
そこで、まずは「エアコンのつけっぱなし」は実際にどうなのかを解説していきます。
エアコンのつけっぱなしは効果がある
結論からいうと、1日中室内にいてエアコンを使用する場合、こまめな運転のON/OFFよりもつけっぱなしにしておくほうが消費電力量が少なく、電気代が安くなります。
ただし、長時間外出していたり、寝るときだけ使う場合はこまめなON/OFFのほうが電気代はお得になります。
エアコンは電源をONにしたあとの立ち上げに大きな電力を消費するため、長時間使うようであればこまめな運転のON/OFFは避けましょう。
エアコンの「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」のそれぞれの消費電力量と電気代の結果
参考:ダイキン「エアコン暖房を「つけっぱなし」にするのと「こまめに入り切り」するのでは、どちらの電気代が安くなるの?」
エアコンの電気代を抑えるための5つのポイント
それではエアコンにおける節約ポイントを見ていきましょう。
① 扇風機やサーキュレーターを活用する
エアコンを使う際は一緒に扇風機やサーキュレーターを活用しましょう。
風を使って部屋全体へ効率的にエアコンから出た空気を循環させることができます。
扇風機やサーキュレーターはエアコンの風向きに注目して設置しましょう。
クーラーであれば冷たい空気は足元に溜まりやすいので、天井付近に当てるように扇風機などの風向きを調整することで部屋全体が涼しくなります。
エアコンは部屋の中でも上の方に設置されており、機器の向きによっても部屋全体をエアコンだけで温めたり涼しくさせるためには必要以上に大きな消費電力を使います。
季節に関係なく使えるのが扇風機やサーキュレーターなので、ぜひ活用しましょう。
② 自動運転モードを活用
自動運転モードを使うと、必要なときに必要な温度と風量を自動で切り替えてくれるので便利です。
温度調整の手間も省けますし、余計な温度や風量の設定もしなくて済むので省エネで使うことができます。
③ エアコン内部や室外機のフィルターを定期的に掃除する
エアコンの性能を最大限に活かすためにも、エアコン内部のフィルターや室外機のフィルターの定期的な清掃も欠かせません。
エアコンのフィルターは最低でも1ヶ月に1回はホコリなどを取り除くようにしましょう。
室外機の掃除は季節ごとで問題ありません。
運転効率を下げてしまうと、それだけ電気代がかかってしまうことになります。
④ 窓に断熱シートを貼る
これは部屋の保温効果をあげるための対策です。
一度温めた部屋の空気を逃さないために、窓に断熱シートを貼ることで断熱性を高めることができます。
断熱シートの種類によっては窓から入る光の量を減らしてしまい、部屋全体が暗くなってしまうことがあるので明るさに注意しながら購入しましょう。
⑤ エアコンを最新式のものに買い換える
エアコンの年式が10年以上も古い場合、最新式のものに買い替えをおすすめします。
先ほどもエアコンの年式が古いだけで電気代が最新式のものに比べてかさんでしまうことをお話しました。
一度購入したあとは長く使うものなので、省エネ性能を搭載したものを購入しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今日はエアコンの電気代の計算方法や、実際にどれほどの電気代がかかっているのかを紹介しました。
また、節約する上でのポイントも紹介しました。
エアコンは年中使うものなので、まずは実際にかかっている電気代などを把握しながら節電への取組をしていきましょう。