- 電力会社の契約内容を確認する
- 待機電力について知る
- 家電の使用方法を工夫する
在宅する機会が増え、電気代が高くなってしまったとお悩みの方に節約方法をまとめました。
今回紹介する節約方法は5つありますが、これら全てができなくても可能な範囲で気をつけることにより電気料金を抑えることができます。
電気代を賢く節約したい方はぜひ試してみてください。
目次
節約方法1. 契約アンペアの見直し
まずおすすめしたいのが契約アンペアを見直して基本料金を下げることです。
契約を見直してアンペア数を下げると、基本料金が安くなるので簡単に電気代を節約することができます。
ご自宅の契約アンペア数をご存知でしょうか?
知らない方は損をしているかもしれません。
契約しているアンペア数の確認方法
契約しているアンペアの確認方法は次のとおりです。
現在のご契約アンペアの確認方法分電盤を見る
それぞれの部屋へ電気を分配する役割の「分電盤」に取り付けられている東京電力のアンペアブレーカーの色や数字 で、ご契約アンペアをご確認いただけます。
- ※アンペアブレーカーが取り付けられていない場合もあります。
ご契約内容が不明な場合は、カスタマーセンター までご連絡ください。
アンペアブレーカーの色 赤 桃 黄 緑 灰 茶色 紫 ご契約アンペア(A) 10 15 20 30 40 50 60 電気ご使用量のお知らせ(検針票)を見る「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」サンプル
毎月お届けする「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」に、
ご契約アンペアを記載しています。でんき家計簿をご利用いただいているお客さまは、「電気ご使用量のお知らせ」(Web検針票)をインターネットでご確認いただけます。
使用する電気機器のアンペア数を合算して計算することで、自宅で一番最適なアンペア数を調べることができます。
下記の東北電力のサイトでも簡単に計算することも可能です。
契約アンペアで変わる基本料金
実際に契約アンペアを変えると基本料金がどんな風に変わるかご紹介します。
例えば、東京電力の場合、下記のように決められています。
ご契約アンペア(A) 10 15 20 30 40 50 60 基本料金(円/月、税込) 286.00 429.00 572.00 858.00 1,144.00 1,430.00 1,716.00 ※ご契約を変更した月の基本料金については、日割りで精算いたします
このように、最適なアンペア数で契約することで基本料金を抑えることが可能です。
ただし、東京電力では契約アンペアを減らした場合、「基本料金」は見直した契約アンペアに応じて下がるものの、「電力量料金」は使用状況によって変わらない場合や増えてしまう場合があります。
契約しているアンペアを下げることで「電気料金の合計額」が必ずしも下がるとは限らないため、注意が必要です。
つまり、アンペアの契約の見直しで基本料金は下げられても電力の使用量を減らさなければ、合計でかかる費用は抑えることができない場合があるのです。
アンペア数を見直すことが可能な電力会社
現在、アンペア制の料金制度を導入している電力会社は以下の電力会社となっています。
- 北海道電力
- 東北電力
- 東京電力
- 中部電力
- 北陸電力
- 九州電力
上記の電力会社の管轄地域であれば、アンペア数を下げることで電気代がお得に節約できます。
しかし、関西電力、中国電力、 四国電力、 沖縄電力の4つの電力会社はアンペア制が導入されておらず、料金体系が異なっているため注意が必要です。
節約方法2. 待機電力を減らす
待機電力を削減することで電気代を抑えることができます。
待機電力は待機時消費電力といい、家電を利用していなくても消費してしまう電気のことで、家電のコンセントを挿しっぱなしにしているとこの待機電力が発生します。
実は、家庭で消費する電力のうち、年間6%が待機電力と言われています。
一見少ないようにも見えますが、かなりの電力が消費されていることになります。
こまめにコンセントを抜いたり、個別の切り替えが可能な節電タップを利用することで待機電力を抑えることが可能です。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁 一般向け省エネ情報 上手な省エネの方法 待機時消費電力を減らしましょう
待機電力を減らすのに効果的な家電
待機電力を削減するために効果的な家電としてはガス温水器、通信機器などが挙げられます。
資源エネルギー庁の「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書」の主要機器(フローベース)の待機時消費電力・標準モードの情報を元に待機電力が大きな家電を以下の通りにまとめました。
家電名称 | 待機電力 | |
---|---|---|
1位 | プロジェクター | 6.31W |
2位 | ヒートポンプ式給湯機 | 5.74W |
3位 | 外付けモデム、DSU、ホームゲートウェイ機器などの回線最終装置 | 5.72W |
4位 | ガス瞬間湯沸器 | 3.89W |
5位 | 石油給湯機付ふろがま | 3.15W |
6位 | 油だき温水ボイラ | 2.99W |
7位 | 固定式ストーブ | 2.82W |
8位 | パソコンネットワーク機器 | 2.48W |
9位 | 蓄熱式電気暖房機 | 2.38 W |
10位 | 外付けHDDなどの外部記憶装置 | 2.33W |
ご覧の通り、給湯器やネットワーク通信機器など、待機状態でも稼働する必要のある家電の電力が大きくなっています。
外出するときや長期間留守にする時などの利用しない場合はこういったものを中心に節電を行うことがおすすめです。
節電効果のない家電
逆に待機電力を減らしても節電効果があまりない家電には、こたつ、ホットカーペット、電子レンジ、電気ケトル、省エネモードに設定したテレビなどがあります。
資源エネルギー庁の「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書」の主要機器(フローベース)の待機時消費電力・標準モードの情報を元に待機電力が小さな家電を以下の通りにまとめました。
家電名称 | 待機電力 | |
---|---|---|
1位 | 電気こたつ | 0.00W |
1位 | ホットカーペット・電気毛布 | 0.00W |
3位 | 洗濯機・洗濯乾燥機 | 0.01W |
3位 | 電子レンジ | 0.01W |
5位 | ドライヤー・ヘアアイロン | 0.02W |
6位 | 電気ケトル | 0.04W |
7位 | 太陽光発電システム | 0.04W |
8位 | トースター | 0.05W |
9位 | ビデオ等内蔵テレビ(省エネモード設定) | 0.14W |
10位 | ミキサー | 0.16W |
上記のような機器は待機電力がほとんど発生しないため、主電源を落としたり、コンセントを抜く手間がある割には節電効果が出にくいです。
もしコンセントを抜いて節電したいのであれば、効果がより出やすいものを選ぶ必要があります。
節約方法3. 家電の使い方を見直す
照明や冷蔵庫、エアコン、テレビなどの電力消費の多い家電の使い方を見直すことで電気代を安くすることがでます。
特にたくさんの電気代がかかってしまっている家電について使い方を見直すことがおすすめです。
特にたくさんの電力を消費している家電は冷蔵庫や照明器具、テレビ、エアコンなどです。
家電が電気を消費する割合は?
出典:資源エネルギー庁 平成21年度 民生部門エネルギー消費実態調査および機器の使用に関する補足調査より日本エネルギー経済研究所が試算(エアコンは2009年の冷夏・暖冬の影響含む)
家庭での電気機器別の電気使用量は冷蔵庫がトップ。照明器具、テレビ、エアコン、電気便座と続きます。資源エネルギー庁 家庭における消費電力量のウエイト比較より引用
特に照明器具についてはこの10年でLED照明が大きく普及しましたので、現在の電気使用量はもっと少なくなっていると考えられます。
照明器具をLEDに変える
LED照明の消費電力は従来型照明の6分の1程度と非常に高い省エネ性能があり、電力の消費が少なくなります。
そのため、照明器具をLED電球に変えることで電気代を安くすることができます。
LED照明は2010年頃には15%程度しか普及していませんでしたが、現在新たに販売されている照明器具の普及率は100%に近い数字になっています。
LED電球の消費電力はどの程度か?
製品によって異なりますが、同じ程度の光束を発散する白熱電球と比較すると1/6程度と少なく、白熱電球60W相当で10W未満のものがほとんどです。
現在主流となっている、青のLEDチップと蛍光体の組合せにより白色光を発光する種類のLEDにおいては、色温度の高いものの方が高効率となる傾向にあります。
現在はシーリングライトや電球だけでなく、既存の蛍光灯の設備でもLEDが取付可能なタイプも多くあります。
LEDは従来型の電球よりも寿命が長いため、購入時の価格が高かったとしても、結果的にLEDのほうが安くなる場合がほとんどです。
テレビは省エネモードを活用する
テレビに搭載されている「節電モード」は、主電源を落とさなくても極力電力を消費しないように設計されています。
テレビの省エネ性能はどんどん進歩しており、省エネモードを利用することで非常に高い節約効果が期待できます。
逆に「高速起動モード」などの設定にしている場合は、つくまでの立ち上がりは早いですが、消費電力が非常に大きくなってしまいます。
また、バックライトの明るさを暗めに設定することでも消費電力を抑えることもできます。
節電設定になっているか、確認してみると良いでしょう。
冷蔵庫の使い方を工夫する
冷蔵庫を工夫して利用することで消費電力の節約をすることができます。
季節ごとに設定温度を調整する
冷蔵庫の温度調整は室温に合わせて調整することで電力の節約になります。
夏は強、冬は弱を選ぶのが一般的です。
仮に1年中の設定温度を強から中にすると、それだけで年間約1,600円の節約になると言われています。
壁から離して設置する
冷蔵庫を壁から離して設置して放熱スペースを確保するだけでも節電に効果があります。
目安としては5cm以上離して置くと適切な放熱スペースが保たれ、年間約1,000円程度の節約が期待できます。
開け閉めする時間と回数を減らす
扉の開け閉めする頻度も電気代に関係します。
扉を開けるたびに冷気が外に逃げ庫内の温度が上がるので再び冷やすために電力を消費するからです。
無駄な開閉や扉を開けっぱなしにしないよう気をつけましょう。
温かい食品は冷ましてから入れる
調理したばかりの食品を熱いうちに冷蔵庫に入れてしまうと、上記と同じ理由でより電力を消費してしまいます。
温かい食品は常温まで冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。
ドアパッキンを交換する
意外と盲点となるのが冷蔵庫のドアパッキンです。
ドアパッキンが緩んでいると冷気が逃げやすくなり、庫内の冷却に無駄に電力を消費します。
冷蔵庫の扉を閉める際に紙を1枚挟んで落ちてこないかどうか試してみましょう。
紙が簡単に落ちてしまう場合はドアパッキンの交換を考えてください。
ドアパッキンはメーカーに直接注文するか、電気量販店に頼んで取り寄せてもらうことができます。
急速冷凍機能を使わない
最近の冷蔵庫には素早くフリージングする急速冷凍機能が備わっている機種があります。
食品の品質を保ったまま長期間保存できる便利な機能ですが、その分電力を多く消費します。
必要以上に使うことは避け、なるべく通常の冷凍冷蔵を使うように心がけましょう。
節約方法4. 家電を買い替える
家電の省エネ性能はどんどん向上しており、2008年と2018年を比べると、冷蔵庫は約43%、テレビは約48%、エアコンは約4%。照明器具は約85%もの消費電力が減少しています。
家庭においてエネルギーが使われている量、つまりエネルギー消費量は、第一次オイルショックがあった1973年度から2017年度までに約2倍に増えており、そのうち半分を電気が占めています。
電力を節約するためには家電を買い換えるのはとても効果的です。
省エネ型機器の現状
家電製品を始めとする近年のエネルギー消費機器は、効率が大幅に向上しています。機器を購入する際に、省エネ型の製品を選択することが家庭の省エネにつながります。
冷蔵庫今どきの冷蔵庫は10年前と比べると約40〜47%の省エネ
照明器具電球形LEDランプは一般電球と比べると約86%の省エネ
テレビ今どきのテレビは9年前と比べると約42%の省エネ
エアコン今どきの省エネタイプのエアコンは10年前と比べると約17%の省エネ
現在使っている家電を長く使うことも大切なことですが、省エネ性能を比較して、どれくらい電気料金の節約になるか確認してみるといいでしょう。
節約方法5. 電力会社を見直す
電力自由化によってさまざまな会社が多くのプランを提供するようになりました。
そのため電力会社を切り替えるだけで、今の電気代から大幅に安くなる可能性もあります。
契約プランによっても異なりますが、生活にあったプランに変えるだけで年間1万円~2万円も安くなったという例もあるのです。
新電力会社の電気料金は、インターネットから見積もりを簡単にチェックできます。
各会社のホームページに現在契約しているアンペア数や電気使用量を入力するだけで、どれくらい電気代を削減できるかをすぐ調べることが可能です。
また、新電力会社同士の競争が激しくなった現在、各社はシェアを獲得しようとさまざまなプランを提供しています。
例えば基本料金が無料であったり、時間帯によって電気代が安くなるプランなどを打ち出しているところもあります。
ライフスタイルによってこれらのプランをうまく選択できれば、電気代を大きく削減することができるのです。
電力会社の切り替えは実はとても簡単です。
各社のホームページや電話、サービス窓口からすぐに申し込むことができます。
現在契約している電力会社への解約手続きは、基本的に切り替え先の電力会社が行ってくれるので、何もする必要はありません。
その後、必要であればスマートメーターの交換が行われます。
切り替え先の電力会社へ申し込んだ後、交換作業の連絡が入ります。
そしてあらかじめ決定した切り替え日に、切り替え先の電力会社との契約が開始されます。
切り替え時にも停電などすることなくスムーズに行われるので、不便になることはありません。
万が一契約した電力会社が倒産した場合も、停電することはありません。
新たな供給先が見つかるまで、各地域の電力会社(東京電力や関西電力など)から供給を受けることができます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は家庭の電気代を安くする方法5つをご紹介しました。
契約アンペアの見直しや電力会社の見直しは今の生活のままでも電気料金を節約することに繋がります。
また、エアコンやテレビ、照明、冷蔵庫などを工夫して使ったり、買い替えたりすることで節約することが可能です。
一度にすべて取り組むのは難しいと思いますので、出来ることから少しずつ取り組むことがおすすめです。
ぜひ試してみてください。