食べ物や飲み物を手軽に温めることができる電子レンジに、パンやお肉を美味しく焼く調理ができる機能がついたオーブンレンジ。
今やオーブンレンジはオーブン機能はもちろんのこと、グリル焼きやノンフライ調理、蒸し料理などさまざまな調理機能が備わっているモデルが多く、一台あるだけで料理の幅がぐんと広がるキッチン家電のひとつといえます。
しかし、製品ごとに機能が違っていたり種類が豊富にあるため「どのオーブンレンジを選べばいいのかわからない」「高い買い物だから後悔したくない」という人がたくさんいるようです。
今日はオーブンレンジの機能と選び方について検証してみたいと思います。
目次
電子レンジとオーブンレンジ
電子レンジ
まずは電子レンジの基本について知っておきましょう。
マイクロ波という波長の短い電波を使い、食材を内部からあたためるのが電子レンジの基本機能です。
シンプルにこの「あたため機能」だけが付いているのが単機能タイプの電子レンジです。
「料理をあたためられればOK！ 」「複雑な調理機能は要らない」という人は電子レンジを選ぶのがお得でしょう。
オーブンレンジ
上述のあたため機能に加え、ヒーターなどの熱源を使ったオーブン調理やグリル調理もできる高機能な製品がオーブンレンジと呼ばれるものです。
このオーブン機能の進化が近年のトレンドのひとつで、最近はスチームや過熱水蒸気を使って調理を行うものも登場しています。
オーブンレンジの機能
オーブンレンジの焼く機能には主に「オーブン」と「グリル」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、食材にあった使い分けをすることが大切です。
食材全体をまんべんなく焼くときは「オーブン」機能、食材の表面を短時間でこんがりと焼くときは「グリル」機能、そして近ごろの高級機種に見られる「スチーム」機能についてもご説明します。
オーブン機能
オーブン機能で設定できる最高温度は、機種によって200～350℃くらい。
ピザ窯を想像すると分かりやすいのですが、火で壁と空間を熱し、赤外線の力で加熱する調理法です。
高めた温度を一定に保ち、全方向から同時に熱を送るため食材全体にじっくり火を通すことが可能です。
パン、ケーキなどの調理や、全体をムラなく焼きたい大きなお肉に活躍するのがオーブン機能といえるでしょう。
グリル機能
グリルは本来は「焼き網」という意味の名詞で、調理方法の呼び名ではありませんでした。
しかし現在は、フライパンなどの鉄板での調理も含め、焼き目をつけて火を通す調理法全般をグリルと呼び、バーベキューやステーキ、七輪で焼く魚などが該当します。
オーブンレンジの「グリル機能」は、食材に高温の熱を直接当てて火を通します。
一方向または二方向から食材の表面を加熱するため、こんがりと焼くことができます。
ただ、厚みのある食材の調理に使うと、中まで火が通る前に表面が焦げてしまうことがあるため注意が必要です。
グリル機能の主な用途としては、薄いお肉や魚、グラタンなどがあげられます。
スチーム機能
近頃の高価なオーブンレンジにはスチーム機能を追加した「スチームオーブンレンジ」があります。
「スチームオーブンレンジ」とは、レンジ内に水蒸気（スチーム）を発生させて食材を温めたり焼いたりできるオーブンレンジのことです。
水蒸気を利用することによって、温めたときに食材の水分蒸発を抑え、乾燥を防ぎます。
高温の水蒸気を使って温めるため、通常のオーブンレンジより素早い調理が可能です。
スチームオーブンレンジなら茶碗蒸しやプリン、肉まんなどの蒸し料理も調理できます。
なお、スチームオーブンレンジは本体価格が高く、多機能なモデルが多いので「基本的な機能が使えれば十分」という人には向きません。
オーブンレンジの選び方
オーブンレンジを選ぶ際は、以下のポイントに注目すると選びやすいでしょう。
- 容量・使用人数
- テーブル
- センサー
- 便利機能
容量・使用人数
20L以下
比較的コンパクトでリーズナブルなモデルが多いため、一人暮らしの人に向いているといえるでしょう。
21L〜25L
中型サイズのスタンダードモデルで二人暮らしにぴったりです。
一人暮らしでも料理をよくする人はワンサイズ大きいこちらのモデルがおすすめです。
26L〜30L・31L以上
大型サイズのハイスペックモデルです。
スチームオーブンレンジなど高性能なモデルが多く、3人以上の家庭で活躍が期待できます。
テーブル
オーブンレンジの中にある食材を置くテーブルは「ターンテーブル」と「フラットテーブル」の2種類あり、種類によって価格や仕上がりに影響します。
ターンテーブル
温めている最中に食材を乗せたテーブルが回転するオーブンレンジが「ターンテーブル」タイプです。
テーブルを回転させることで1カ所のアンテナから放出されるマイクロ波を食材全体に当て、まんべんなく温めることができます。
ターンテーブルは構造のシンプルさから製造コストが低く、リーズナブルなモデルがほとんど。
コスパ重視で安いオーブンレンジを探している人は、ターンテーブルタイプを選ぶといいでしょう。
フラットテーブル
オーブンレンジの底面に直接食材を置いて温めるのが「フラットテーブル」タイプです。
アンテナから放出されるマイクロ波を拡散して食材全体を温めるため、ターンテーブルタイプのような回転が不要です。
レンジ内を広々と使えるので、お弁当など大きいサイズのものでも全体をまんべんなく温めることができます。
また、メンテナンス性にも優れていて、汚れたレンジの中を手軽に掃除可能です。
ターンテーブルタイプに比べて価格が高めですが、使いやすさや性能面を重視する人はフラットテーブルタイプを選びましょう。
センサー
オーブンレンジの中にはセンサーを搭載しているモデルがあります。
センサーは下記の4種類で、検知した情報から最適な加熱を行い、仕上がりを良くしてくれます。
- 温度センサー
- 湿度・蒸気センサー
- 重量センサー
- 赤外線センサー
加熱ムラなどによる温め直しが気になる人は、センサーの有無や種類もチェックしましょう。
高性能なモデルになれば搭載しているセンサーの種類が多くなります。
便利機能
オーブンレンジには調理やお手入れの際に役立つさまざまな便利機能があります。
用途にあわせて自分にあった便利機能を搭載したオーブンレンジを選ぶようにしましょう。
2段調理（2段オーブン）機能
パンやお菓子を焼くときに便利なのが「2段調理（2段オーブン）」機能です。
2段調理機能があれば上下2段で一度にたくさん焼けるため、お菓子作りの際に重宝するでしょう。
また、上下で異なる調理も可能です。
本来なら2度に分けて調理するところを1度にまとめて調理できたりするので、時短や電気代の節約も期待できます。
ノンフライ機能
油を使わずに揚げ物をヘルシーに調理するなら、ノンフライ機能を搭載しているオーブンレンジがおすすめです。
熱風や過熱水蒸気を利用して調理するため、油分の少ないヘルシーな揚げ物を作ることができます。
健康管理に気を使っている人やダイエット最中の人にぴったりな機能といえるでしょう。
トースト機能
パン好きな人は、トースト機能を搭載したオーブンレンジを選ぶといいでしょう。
トースト機能があれば別でトースターを買わなくても、オーブンレンジだけでおいしくパンを焼くことができます。
自動機能やお手入れ
使い勝手の良さやお手入れの手軽さも重要になります。
自動メニュー数
ボタン一つで加熱温度や時間を調整してくれる自動メニューの数が多いと、献立選びの助けにもなります。
レシピを選んで下ごしらえをしたらボタン一つで料理が完成するので、献立選びで悩むことが多い方でも安心です。
無線LAN
無線LANでスマートフォンと連携できる機能が搭載されているものもあります。
スマホアプリからメニューを選んでお家のオーブンレンジに送信できるので、面倒な設定の手間を省くことができます。
また、アプリで過去につくったメニュー履歴の閲覧や、お気に入りメニューの登録、おすすめメニューの提案などもしてくれます。
スマホ連携で家電をスマートに使いこなしたい方に、おすすめの機能です。
自動お手入れ
オーブンレンジのお手入れをしやすくしてくれる自動お手入れ機能も便利です。
庫内に水蒸気を充満させて汚れを浮かせることで、こびりついた汚れも拭きとりやすくしてくれます。
衛生的に使い続けるためには定期的なお手入れが必要になるので、お手入れ方法は簡単か？頻度は多くないか？などは事前に確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか？
今日はオーブンレンジの機能と選び方について検証してみました。
ちょっとした食材のあたためから、本格的な料理まで、今や調理に欠かせないオーブンレンジ。
単機能からスチームオーブンレンジまでさまざまなタイプがあり、どれを選べばよいか迷いがちですが、あなたの調理スタイルに合ったレンジを賢く選んで、料理のレパートリーを手軽に増やしてみませんか？
