生活の中で、絶対に欠かせないものである水道。
飲食だけでなく、入浴やトイレなど水を使う場面は数多くあります。
水は使った分だけ水道代が発生しますが、あなたの使い方によっては水道代を節約できるどころか、むしろ逆効果になっているケースがあります。
今日は、やってはいけない水道代の節約方法について検証します。
目次
やってはいけない節水方法

昭和の時代からよく知られている水道代の節約の行動には、様々な方法があります。
果たしてこれらは有効なのでしょうか。
それぞれ検証していきましょう。
トイレタンクに重い物を沈めておく
トイレのタンクの中に、水の入ったペットボトルやレンガを入れると、流してもその体積の水は入れ替わらないので、その分節約になるという理屈です。
しかし、狭いタンクの中に物を入れることが故障の原因となるケースが多く、メーカーからも「タンクに異物をいれないでほしい」と注意喚起が出ています。
また、トイレの汚物は下水道まで排水管を10メートル以上流さないといけない公的な基準があるため、水量を減らしてしまうと排水管が詰まる可能性があるのです。
あまり想像したくない光景ですが、排水管に常に汚物が溜まったままになっていると、ある日突然、汚物混じりの水があふれる恐れが出てくるのです。
結果として、故障して水道料金が余計にかかったり、修理費用が必要になっては逆効果になってしまいます。
水を少量出して長時間かけて溜める
水をチョロチョロと少量ずつ出していれば水道メーターにカウントされないので、お風呂や洗濯機に水をためるときは少量ずつにしようという節約ワザがかつてありました。
しかしこれは昔の話で、現在の水道メーターは少量ずつ出してもしっかりカウントしているので意味がありません。
お風呂の残り湯で洗濯
浴槽内の残り湯中の細菌数は一晩で数千倍になります。
残り湯を使って洗濯をすると、その細菌が洗濯物に残り、不快なニオイを放ってしまうことになることも。
これを防ぐためには残り湯を使用する場合は「洗い」のみにし、水道水で2回以上「すすぎ」を行いましょう。
また、小さな子どものいる家庭では浴槽に水をためておくと溺死・溺水を引き起こす危険があります。
消費者庁の事故防止ハンドブックでは子どもを事故から守るために、入浴後は浴槽の水を抜くように明記しています。
食器洗いのすすぎを手早く済ませる
洗いものが多い場合は、洗い桶に食器をつけてから洗う「つけ洗い」が効率的です。
ただ、洗い桶に長時間食器をつけおきすると、ブドウ球菌や大腸菌の一種などが数万倍に増えるという研究結果が民間検査機関から発表されています。
衛生面を考えて、つけおきする時間は短時間にとどめましょう。
また、水を節約したいあまりに、すすぎをザッと一瞬の流水で済ませてしまうのは考えもの。
食品衛生法では、洗剤を使う場合のすすぎ時間は「飲食器は流水で5秒間以上(野菜・果実は流水で30秒以上)」と最低ラインが定められています。
食中毒の原因となることがありますので、すすぎは十分な時間をかけてする必要があるのです。
なお、洗剤を容器に書かれた使用量より多く使っても、より汚れが落ちるというわけではありません。
洗剤はある一定の濃度を超えると洗浄力に変化が出なくなります。
結果的に洗剤とすすぎの水を無駄遣いするだけになってしまうので注意しましょう。
水道代が高くなる行動

最後に、水道代が高くなってしまうNG行動をおさらいしてみましょう。
日々の生活で案外見落としがちになっていることもあると思います。
お風呂でシャワーを出しっぱなし
家の中で最も多く水を使う場所は浴室で、全体の約4割の水が使われています。
シャンプーをしている間、または体を洗う時にシャワーを出しっぱなしにしていませんか?
シャワーは約16分使うと、およそ浴槽1杯分の水量を使ったことになるのです。
髪や体を洗っている間もずっとシャワーを出し続けることは水道代の無駄遣いになります。
こまめに止めたり節水シャワーヘッドを活用しましょう。
水を出しっぱなしにして歯を磨く
歯をみがくとき、30秒間流しっぱなしにすると約6リットルの水を使います。
しかしコップに水をくんで歯を磨けば使うのは約0.6リットル程度で、一回の歯みがきで約5リットルの節水になります。
朝と夜、1日2回歯みがきするとひと月あたり約220円の節約になる計算です。
歯を磨く数分だけと思い、水をだしっぱなしにしている人もいるかもしれません。
しかしそれが毎日積み重なってくると水道代が高くなる原因になるのです。
歯を磨いている最中は水は使わないため、蛇口を閉めておきましょう。
トイレをいつも「大」で流す
多くのトイレには大と小のレバーがあります。
しかし意識せずに毎回「大」で流している人は案外多いもの。
特に女性は毎回トイレットペーパーを使うため、「大」で流すことも多いようです。
昔のトイレのレバーは1つだけでしたが、現在ではほとんどのメーカーで大・小のレバーがあり、大のレバーと小のレバーでは1回あたり約1ℓくらい水の使用量に差が出るのです。
しかし、現在のトイレは目安としてトイレットペーパー2m程度の量であれば小レバーで流すことができるよう設計されているものが大半です。
1回あたりの量は少なくてもトイレは1日数回使用するものなので、毎回「大レバー」を使うことは、水道代の無駄につながるので注意しましょう。
洗濯物をこまめに洗う
洗濯機は洗濯物の量が多い場合も少ない場合も使う水の量はあまり変わりません。
そのため、こまめに洗濯機を回すより、洗濯物がある程度たまってからまとめ洗いをしたほうが水道代の無駄になりません。
ただし、洗濯物は詰め込みすぎると、汚れ落ちが悪くなるのでため過ぎはNGです。
理想は洗濯物が洗濯機の容量に対して80%くらいとされています。
この量だと洗濯槽の中で洗濯物が踊り、大きな水流で洗浄効果が十分に発揮できるのです。
食器の洗い方
食器の洗い方によっても水の量は大きく変わります。
汚れた食器を長時間そのまま放置しておくと汚れがこびりついてしまい、落とすのに多くの洗剤と水を使うことになります。
また、油汚れの食器を先に洗うと他の食器類に油汚れが移り、最終的に無駄に洗剤や水を使うことになります。
油汚れのひどい食器や鍋はあらかじめ不要な布か新聞紙などで汚れを落としてから水洗いをしましょう。
まとめ
東京都水道局によると、一般家庭で1人が1日に使う水の量は平均219リットル(平成27年度)となるようです。
これを2Lのペットボトルに換算すると約110本分になってしまいます。
「6本入り18ケースでも足りない」というとイメージがしやすいでしょう。
せめて1日1本分でも節約したいものですよね。
このような意識でうまく水を節約できるようにしましょう。