- 空気清浄機のパワーは「適用畳数」で数値化されている
- 現在の空気清浄機の集塵方式は大きく分けて2通りある
- 空気清浄機能だけではなく色々な機能が搭載されている
新型コロナウイルスの蔓延が恐れられている昨今、空気清浄機の購入を考えている方が多いようです。
空気清浄機は決して価格が安い家電ではないので、購入してから後悔するというケースは避けたいもの。
空気清浄機を購入する際は、選び方のポイントを押さえた上で、ご自身に最適なモデルを選びましょう。
今日は、空気清浄機についての知識があまりなく、どのように選んでいいのかわからない方のために選び方のポイントをまとめてご紹介します。
目次
空気清浄機とは

空気中を浮遊する花粉・ホコリ・ハウスダスト・ウイルスなどを専用のフィルターによって空気ごと濾過し、不純物を取り除いたキレイな空気を部屋に戻すための製品です。
モデルによっては、部屋干し臭などの嫌な匂いに対する消臭効果も期待できます。
また、加湿機能付きの「加湿機能付き空気清浄機」も最近はよく見られますが、これは付加価値機能ですので、全ての空気清浄機に搭載されているわけではありません。
空気清浄機を選ぶにあたってまず押さえておくべきポイントについて検証しましょう。
適用畳数について
「室内の空気をどれだけパワフルに浄化できるか」を測る指標のひとつとして「適用畳数」があります。
日本電機工業会によると、適用畳数とは「規定の粉塵汚れを30分で浄化できる部屋の広さ」のことです。
つまり、適用畳数が大きいほどより早く空気を浄化できるのです。
部屋の空気清浄時間が30分で問題がなければ、空気清浄機を置く部屋の広さと同じ最大適用床面積の空気清浄機を選びましょう。
尚、素早く空気を浄化したいならば、実際の部屋の2~3倍の広さを浄化できる空気清浄機を選ぶとよいでしょう。
ファン集塵式
ファン集塵式とは、を搭載した空気清浄機でホコリや塵をキャッチするための空気のろ過装置である「集塵フィルター」を搭載した空気清浄機です。
空気清浄機が吸引したホコリや塵を付着させて再び放出させないようにする役割を果たします。
小さな汚れをキャッチできる目の細かいフィルターであるほど高性能と言えます。
高性能な集塵フィルターの代表として「HEPAフィルター」があげられます。
これは現在多くの家庭用空気清浄機のメインフィルターとして採用されているもので、0.3µm(マイクロメートル)の粒子を99.97%とらえることができると言われています。
小さい汚れの例として、以下のものがあげられます。
尚、µm(マイクロメートル)とは長さを表す単位で、1µmは1mmの1000分の1を意味します。
汚れ | 大きさ(直径) |
花粉 | 30~40µm |
ハウスダスト | 10~40µm |
カビ菌 | 2~10µm |
黄砂 | 1~5µm |
PM2.5 | 2.5µm以下 |
インフルエンザウイルス | 0.1µm |
メリット
- 価格がリーズナブル
- 集塵能力が高い
デメリット
- フィルターのメンテナンスが手間
- 運転音が大きめ
電気集塵式
フィルターが内蔵されたファン集塵式に対して開発されたのが、「電気集塵式空気清浄機」です。
これは、高電圧によって発生するプラズマ放電を利用して、電極に粉塵やホコリを吸着させる方式です。
しかし、電極に対して静電気による集じんを行うため運転音は静かですが、集塵能力が低いのが欠点です。
強制的に気流の流れを作るためのファンが内蔵されていますが、このファンにフィルタは付属していません。
集塵により汚れが付着した電極は、定期的に取り外して洗浄しなければ効果を失ってしまいます。
使用に適した場所は、喫煙所などの汚れの付着が著しい場所で、メンテナンスコストを低減できるという特長があります。
メリット
- 運転音が静か
- 集塵効果が長期間持続する
デメリット
- 集塵能力がファン集塵式よりも劣る
- コストが高い
空気清浄機のセンサーの種類

最新の空気清浄機は「臭気センサー」と「ほこりセンサー」を組み合わせ、周囲の空気環境の汚れ具合を検出して自動運転が可能です。
センサーの種類について見てみましょう。
臭気センサー
タバコや化粧品、アルコールやスプレー類の臭気を検出します。
臭気のある物質は検出できますが、ほこりや花粉などの臭気を発生させない物質は検出できません。
調理の際の臭気やペットの臭気など、集塵性能と同様に、初期除去率を「50%以上」に規定しています。
また、活性炭を搭載したフィルターが内蔵されている機種であれば、より効率的に空気の臭気除去が可能です。
しかし、活性炭は吸着能力を保つために定期的な洗浄が必要なため、メンテナンスに手間はかかるようです。
ほこりセンサー
ほこり、花粉、たばこの煙、ダニの死骸などを検出します。
たばこの煙の粒子は、直径0.1~0.3μmととても小さいものですが、これらはほこりセンサーによって検出され、ファンの運転速度を制御します。
空気清浄機が一定時間運転して集塵が完了し空気が浄化されれば、ほこりの検出がなくなり、運転を停止したりファンの回転速度を弱めるなどの自動制御を行います。
集塵性能は、たばこの煙をモデルに初期の集塵能力を「70%以上」と規定しています。
しかし、ダニの死骸や花粉はたばこの粒子よりも大きいため、たばこの粒子が集められる性能であれば、これらの大きな粒子に対しては充分な除去能力があることが分かります。
様々なタイプの空気清浄機

最新の空気清浄機には、空気清浄機能以外にも様々な機能を備えたものがあります。
以下にまとめてみました。
加湿空気清浄機
空気清浄機に加湿機能を搭載しています。
1台で2役をこなし、省スペース化に役立つため最近増えている家電です。
除加湿空気清浄機
空気清浄機に加湿機能と除湿機能を搭載した、1台で3役こなす空気清浄機です。
除湿機能は夏に、加湿機能は冬に活躍するため、1年を通して使える空気清浄機です。
イオン発生機能空気清浄機
イオンを発生させることにより空気を浄化します。
PM2.5や花粉除去機能が搭載されている空気清浄機もあります。
脱臭機能空気清浄機
室内の臭いや菌を分解抑制し脱臭する機能が付いた空気清浄機です。
脱臭方式はメーカーによって様々で、次亜塩素酸を利用するものや活性炭を利用するものがあります。
タバコやペットの臭いなどをキャッチしてくれるものが多く、性能はメーカーによって様々で、主に2つの仕組みで臭いを取り除きます。
脱臭フィルター
空気清浄機内の脱臭フィルターを通して部屋の空気を取り込み、フィルターで脱臭されたきれいな空気を放出します。
イオン脱臭
イオンを含む空気を放出することで、室内の臭いを軽減させます。
機種によっては、イオンで除菌やアレルギー物質の抑制、防カビなどの効果まで期待できるものもあります。
スマホ連携機能
最新のモデルの中には空気清浄機とスマホを連携できるものが増えています。
スマホと連携させれば、アプリを通して遠隔操作ができたり、部屋の空気がどんな状態なのかを把握できるのでとても便利です。
まとめ
いかがでしたか?
空気清浄機は室内の空気の状態を検知して浄化するため、アレルギーのある方や健康に気をつけている方ならば、1台は備えておきたいものです。
最新の空気清浄機は、加湿機能やイオン発生機能など、空気清浄だけでなく湿度管理も容易に行える機種も多く、とても便利です。
様々な価格帯で多機能な製品が発売されているため、使用用途と予算のバランスがとれたモデルを選びましょう。