浄水器ってみんな使っているけれど、本当に水がキレイになるのかな?
色々な種類があるけれど、どれを選んでいいのかわからない。
こんな風に思ったことはありませんか?
仕組みをよく知らずに「浄水器」という名前だけで安心して使っている方は多くいるようです。
実は、一言で「浄水器」と言っても様々な種類があり、それぞれどれだけ水をキレイにしてくれるかが異なります。
今日は、浄水器の種類と選び方について検証してみましょう。
目次
浄水器の仕組み
浄水器とは、フィルターを通して、水道水に含まれる不純物やニオイの軽減を目的とした装置のことです。
水道水は殺菌のために塩素が使われていて、微量ながらも残留塩素が含まれています。
水道水に含まれる塩素は体に直接的に害をもたらす分量ではありませんが、濃度が高い場合は水が美味しくないばかりではなく、人によっては肌荒れを起こすなどのトラブルがあるのです。
また、水道管や給水塔がきちんとメンテナンスされていない場合、カビやサビなどといった有害物質が発生する可能性もゼロではありません。
このような環境にある場合、浄水器を設置することにより、安全に美味しい水を飲むことができるようになります。
フィルターの種類
フィルターはどんな仕組みになっているのでしょうか。
異なる形状の組み合わせが層になっていますが、大きく分けて次の4つの種類があります。
活性炭フィルター
その名の通り、活性炭を用いたろ過材です。
樹木や竹・ヤシ殻・石炭などを炉の中で高温で焼いた炭のことをいい、表面の0.1ミクロンの孔が臭い・残留塩素・トリハロメタンなどを除去します。
活性炭のみを使用した浄水器もありますが、通常は活性炭と他のろ過方式を組み合わせたものが多いです。
除去できるもの
カビやカルキなどの臭い
残留塩素
トリハロメタンなどの化合物
農薬
中空糸膜フィルター
中空糸と呼ばれる特殊な素材で作られた、0.1ミクロンほどの穴が空いた糸を束ねた膜状のろ過材です。
カビ・鉄サビ・濁り成分・一般細菌などを除去します。
非常に細いストロー状の糸で、膜には細菌も通さないほど微小な穴があいています。
一端が閉じているため、不純物を効率よくキャッチできる構造になっているのが特徴です。
除去できるもの
細かいサビやカビなどの濁り成分
細菌や雑菌
ROフィルター(逆浸透膜)
0.0001ミクロンの超微細孔で、水分子だけ通す浸透膜で仕切りをして圧力をかけることで、きれいな水とそうでない水(廃棄水)に分離させることのできるろ過材です。
分子レベルの不純物まで除去するため、ろ過には時間がかかります。
また、水のうま味成分であるミネラルも除去されてしまいます。
除去できるもの
細菌・病原菌・ウイルス
トリハロメタンなどの化合物
カビやサビなどの濁り成分
農薬やヒ素
放射性物質
ミネラル成分
イオン
セラミックフィルター
セラミック(陶器)の壁にあいている微細な穴を使用してろ過します。
中空糸膜と同程度の除去能力があります。
耐熱性や薬品に強いというメリットがある一方で、中空糸膜に比べ表面積を大きくすることができないため、目詰まりを起こしやすいというのがデメリットといわれています。
除去できるもの
トリハロメタンなどの化合物
残留塩素
カビ・カルキ臭
浄水器の種類
浄水器には以下の5つの種類があります。
それぞれの特徴とメリット・デメリットについて見てゆきましょう。
蛇口直結型
蛇口の先に取り付けるタイプのシンプルな浄水器です。
リーズナブルでコンパクトなタイプが揃っており、取り付けや取り外しが容易なのも特徴。
しかし、フィルター容量が小さいので、カートリッジを交換する頻度が高く、取り換え時期の目安は2〜4ヵ月ほどです。
なお、蛇口のサイズや形状によっては取り付けができない場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。
メリット
取り付けが簡単ですぐに使える
形状がコンパクト
値段が比較的手軽
デメリット
カートリッジの寿命が短め(2~4ヶ月程度)
ポット型
水道の水栓に繋げる必要がなく、ポットに入れた水をフィルターで浄水するタイプの浄水器で、ピッチャー型浄水器と呼ばれることもあります。
容量は1〜3L程度が一般的で比較的小さいため、寝室や居間などに自由に持ち運べるのがメリット。
2Lペットボトルほどのサイズのモデルも多いので、飲料用として冷蔵庫で冷やしておくことも可能です。
リーズナブルなモデルも多数ラインナップされています。
メリット
価格が最もリーズナブル
本体を冷蔵庫に入れて冷やせる
デメリット
一度に浄水できる量に限度がある
浄水されるまで数分かかる
カートリッジの寿命が短め(2~3ヶ月程度)
据え置き型(シンクトップ型)
キッチンシンクの上に備え付けて使用する浄水器で、浄水能力に優れているのが特徴です。
取り付け用の部品が付属しているモノが多いため、自分でラクに設置できます。
カートリッジの寿命は12〜24ヶ月のモデルが主流。
フィルターの容量が大きいので、水道の使用量が多い方におすすめ。
なお、稀に水道と接続するホースに黒カビなどが発生することがあるため、使用する際はカートリッジだけでなく、ホースの汚れにも注意する必要があります。
メリット
ろ過能力が高い
整水機能付きなどの高機能なタイプが多い
カートリッジの寿命が比較的長い
デメリット
本体価格が高め
シンク付近に置き場所が必要
ホースも洗浄する必要がある
ビルトイン型
蛇口と一体化しているビルトイン型は、シンク周辺の場所をとらないのが特徴で、キッチンを広く使いたい方に適しています。
性能にこだわりを持って浄水器を使いたい方や、水栓のデザインを変えてキッチンに個性を出したい方にもおすすめ。
しかし、タンクをシンクの下に設置する工事が必要なため、導入コストが高くなる点には注意が必要です。
予算を考慮して選びましょう。
メリット
ろ過能力が高い
シンク周辺がすっきりする
カートリッジの寿命が長め
デメリット
価格がかなり高い
シンク下の環境によっては設置不可
水栓一体型
近年普及し始めた比較的新しいタイプの浄水器です。
蛇口自体にフィルターが入っているため、外部に機器を取りつけなくても、蛇口から水を出すだけでろ過水を利用できるのが特徴です。
外部に機器を取りつける必要がなく、水回りをすっきりさせたい方におすすめです。
フィルターの交換が比較的簡単で、複雑な操作をする必要がないのも魅力です。
しかし、ビルトイン型と同じように設置に工事費用がかかる点には注意が必要です。
メリット
デザイン性が高い
シンク周辺がすっきりする
シャワーヘッド付きの機種がある
デメリット
値段がかなり高い
カートリッジの寿命が短め
浄水器の選び方
浄水器の種類とフィルターについて説明しました。
種類は多いですが、ここからは選ぶポイントについて説明したいと思います。
とにかく安く導入したい
とにかくリーズナブルなものを求めている方には、蛇口直結型とポット型がおすすめです。
特にポット型については、全体的に安いものが多く、蛇口の形状に合わせる必要がないためすぐにでも使うことができます。
ただし、一度に浄水できる量が限られているので、料理に使う機会が多い方は蛇口直結型を選びましょう。
メンテナンスの手間がかからないものがいい
カートリッジの交換頻度が面倒に思える方には、据え置き型かアンダーシンク型をおすすめします。
使用頻度によっては1年間交換しなくてもいいものもあります。
ただし、設置工事費用が高額になる機種もあるため、注意が必要です。
デザイン性を重視したい
極力目立たたず、デザインを重視したい方には水栓一体型がおすすめです。
見た目がスマートなだけでなく、シャワーヘッドがついているため、機能面でも優れているのがポイントです。
しかし、値段が高めでカートリッジの寿命が比較的短い点に注意が必要です。
とにかく高機能なものがいい
健康や美容に気を遣う、性能にこだわりたい方には、据え置き型がおすすめです。
据え置き型はカートリッジの寿命が長く、浄水力にも優れている機種が多くあります。
また、使われているフィルターの性能にも注視しましょう。
高額にはなりますが、アルカリイオン水や水素水などの整水機能が付属している機種も選ぶことができます。
まとめ
浄水器の特徴や、フィルターの種類について説明しました。
水道水をより安全に美味しく飲むためには、それぞれの浄水器やフィルターの特徴を理解し、希望に合った物を選ぶことが重要です。
部屋のインテリアやキッチン周りのスペース、予算やランニングコストなどを総合的に考えて満足のいく浄水器を導入しましょう。